6月前半米国の雇用統計をうけて大きく動いたドル円でしたが、後半になるにつれ動意は小さくなりつつあり、先週の一週間はすっかり値幅の狭い動きに終始することとなりました。
107円台から上にはすでに実需なのか売りが降りてきている状況で、早108円はかなり遠い絵水準になりつつあります。
しかし、106円台中盤から下にはこれまたなにか実需と思われる買いが潜んでいるようで、ドル円はどうにも動かない一週間を過ごすこととなりました。
4時間足のチャートを見ますと、ほぼ1円ちょっと上下の値幅をいったりきたりしただけで、ショートが溜まり過ぎると一旦ショートカバーがでるものの、それも時間が経過すればまた下落に転じるという非常に取引し甲斐のない相場が続きました。
逆張りで多少の利益を獲得することはできるとしても大きな利益を確保できる相場ではなく、週明けこれが日柄調整の形で延々と続くのか、あるいは新たなテーマをきっかけにして大きな動意を見せることになるのかどうかに注目が集まるところです。
ユーロドルもEU首脳会議で新型コロナ復興基金に対する進展期待が見られましたが、実際には物別れに終わったことから週末にかけては1.12を割り込む動きとなりさえない展開が継続しました。
ドル円に比べればまだ動きはあるように見えますが、本来のユーロドルの相場から考えればやはり動意が限定的であり首相通貨ペアが軒並み動意を失った状況に陥っています。
全体的に日柄調整的な時間潰しを行っているようにもみえますが、各国の金融政策でのきなみ金利がなくなっている現状を考えますとこうした膠着相場が結構週明けも続く可能性は覚悟しておく必要がありそうです。
新型コロナウイルスはまたしても猛威再開の兆し
一旦収束して経済の再開が多くの国で始まったはずですが、中国の北京を中心に新型コロナが再発、米国でもニューヨークは一旦収束したもののフロリダ、アリゾナでは感染者が激増し始めており、テキサスにおける患者の入院も増加といった状況で、トランプ政権は強引に経済再開と復活をとにかく一刻も早く打ち出したいと思っているものの、現実はそのような状況になっていない点が大きな問題になり始めています。
どこの国でも国民が既にステイホームに耐えられない状況になっているようで、こうした経済再開を簡単に止めることはできなくなっていることが判ります。
当初言われていたように、夏になればウイルスは死滅するという話しもどうやら本当ではないようですし、南半球ではブラジルだ感染者が拡大しており、世界規模でみると全く収束がおぼつかない状況で主要国を中心にして再発拡大が一気に進んだ場合、経済は逆戻りとなることからリスクオフ相場が再来することも覚悟しておかなくてはならない状況です。
コロナバブルに湧いた株式相場の影響なのか、すっかり巷では新型コロナは終焉したかのような錯覚に陥っている人が多いようですが、状況は実に簡単に逆戻りしてしまいそうで、非常に危惧される時間帯です。
またアルゴリズムがここのところ、新型コロナ関連のネガティブなニュースに悉く反応するようになっている点も気がかりで状況悪化はやはりドル円、ユーロドルともに下落のリスクを想定しておくべきのようです。
北朝鮮情勢も一気に何か進むのではないかというリスクが高まりましたが今のところ大きな動きはでておらず、こちらもその後の展開が気になるところです。
為替相場はとにかく次なる市場のテーマ待ちの状況で、週明けも当面レンジ相場が継続することを覚悟しておく必要がありそうです。
為替のトレーダーには辛い時間ですが、動きの変化だけは粒さにチェックしておくことが肝要です。