ドル円は9月第一週とうとう140円台に到達し、2日の雇用統計を受けて明確に140円台で推移するようになっています。
7月中盤に139.400円レベルから失速して以来実に1か月半ぶりの上昇となりますが、9月相場ではここからどこまで上昇できるのかに市場の関心が集まりつつあります。

140円台にまで上昇したのは既に24年も前のことなので、明確なレジスタンスラインなども確認することは出来ませんが、1998年の場合6月に140円をつけてからたった5日後に147円まで上昇した経緯があり、多くのアナリストが次なるターゲットをこの147円に置き始めています。
ただ、8月初旬の下げの130.500円レベルからはこの1か月で10円以上上昇しており、ここからのさらなる上げにはなにか新しい材料が必要になりそうで、よほどショートでもたまらない限りはすんなり上昇するのも難しそうな状況です。

週明け8日に開催されるECB理事会の結果次第では円安に拍車をかける可能性があり、大変注目されています。

ECB理事会は8日の会合で0.75ベーシスポイントの利上げの可能性

注目の9月8日のECB理事会ですが、一部のアナリストからは激しいEU域内のインフレを考慮して、一気に0.75ベーシスポイントの利上げを行う可能性が指摘されはじめています。
こうなるとユーロが対円で上昇する可能性は高く、ユーロ円の上昇がドル円の上昇を引き出すことも想定しておく必要がありそうです。

ただ、逆に利上げが決定してしまえば期待で買って事実で売るという動きになることもあり、ドルが相対的に高くなるのであればドル円がもう一段上昇することも視野にいれていかなくてはなりません。

ドル円は138円から143円の間で推移か

Data Tradingview

9月5日がレイバーデーでお休みであることから、米国月次の懸案指数となっている8月CPIは9月13日に発表となり、週明けの相場にはその影響がでません。
代わりに8月ISM非製造業景況指数が6日に、ブレイナード FRB 副議長講演(9/7)、ベージュブック(9/7)、パウエル FRB 議長講演(9/8)が予定されていますが、既にジャクソンホールでパウエル議長が明確に方針を発表しているため、よほどそれと異なる内容でない限りは市場の反応も限定的なものになりそうです。

テクニカル的にみると143円レベルまでの上昇の可能性はあり、逆に下押ししても139.500円がまず割れない場合には絶好の押し目買いポイントになりそうな状況です。
さらにそれを下抜けても138円を明確に割らない限りは、そのレンジ内での値動きが続くことが予想されます。

ユーロドルは利上げで上昇してもどこかで反転下落となることに注意が必要

ユーロドルに関しては、8日のECB理事会で大幅利上げとなれば一旦はユーロ買いとなることが予想されますが、リセッション懸念もかなり強いだけに強烈に利上げをするとユーロ圏の景気がさらに悪化するという懸念も高まりかねず、どこかのポイントで逆に欧州株下落からユーロ売りが再燃することが十分に考えられ、こちらは売り場をどう考えるかが重要になりそうです。
すでにこの1週間の動きではパリティを挟んで上下動を繰り返しており、大幅に値を戻す動きは一度も出ていません。

Data Tradingview

こうなると週明けもさらに下値を試す可能性のほうがかなり大きくなりそうで、買い向かいには十分な注意が必要です。

レイバーデーを終えた6日からの相場にはほとんどの市場参加者が戻って来ると言われており、8月とは変わって大きな流動性のある相場となることが予想されます。
とにかく方向感を最初から断定せず、実際の相場の流れにしっかりついて行く方向でトレードを考えたい1週間です。