懸案であったG20時に開催された米中首脳会談はとにかく追加関税の実施だけは辛うじて免れる形となり、決定的な亀裂は入らなかったことから一安心といった状況です。
週明けの株式相場は米国を中心にして一旦上昇することが期待されそうですが、特段交渉が進展したわけでもないのが気になるところです。問題を一時的に先送りにした感は否めずまたどこで火を噴くことになるのかはトランプ大統領次第ということになり、油断は禁物な状況です。アルゴリズムが反応する市場だけにこうした状況は素直に株の上昇につながりやすくなるものと思われますが、上昇の流れがでたときに本当についていくべきかどうかは相当考える必要がありそうです。
ドル円は一旦いいところまで下値を試した可能性
ドル円は6月最終週に久々に107円を割り込み106.800円レベルまで下押す瞬間がありました。ただ、下値では買い向かう向きも多かったようでそれをさらに下抜けることを期待した向きは一旦ショートカバーで切らされることなってしまいました。下落の局面ではそれまでのドル円のロングは切らされることになりましたし、ショートを振った向きも下値からの戻りで買い戻したことが予想されることから、週明け7月第一週は比較的上にも下にも軽く動くことができそうな雰囲気になってきています。
ここからドル円が上昇する場合まず108.700円レベルで止められることになるかどうかが一つのポイントになりそうですが、仮にそれを上抜けても109円台を大きく上伸するとは考えにくく、一旦上昇すればその周辺でもみ合いを続ける可能性が高くなりそうです。
いずれにしても週足で長く三角持ち合いを続けてきた相場は一旦明確に下抜けしていますからこれが蒸し返されるリスクはかなり高そうで、当面戻れば戻り売りを志向すべき時間帯になりそうです。ただ今月一杯は大きな動きにならない可能性も視野に入れて小まめにリカクして利益を積み上げていくことも考えたいところです。
市場はFRBの利下げを織り込みすぎ
米国セントルイス地区連銀のブラード総裁は7月に50bpの利下げはさすがにありえないとけん制発言をしていますが、市場はあきらかに利下げを織り込みすぎでおり、7月末のFOMCでたとえ0.25%の利下げが織り込まれたとしても債券市場に急激な買戻しがでたりする場合には債券相場が大きく下落し、それに伴う形で株式市場も下落するリスクがありそうでここからの債券相場の動きには特に注意が必要になりそうな状況となっています。
ここのところイールドハンティングということでまたジャンク債に対する市場からの資金流入が非常に高まりをみせています。これは米債の利回りが大きく低下していることも微妙に影響を与えているわけですが、ひとたび金利が上がりだしますといきなり売りが加速し流動性枯渇のパニック状態が示現するリスクがかなり高いことから7月はなんとかやり過ごせてもその先が非常に心配される状況です。
本格的な相場の変調はやはり8月に注目
7月は参議院選挙もありなんとしてもPKOを駆使して現政権は下値を固めたいところであろうと思いますが、それ以降については相場もかなり不確定要素が高まることになり、当面とにかく米債金利の推移とVIX指数の推移に注目していきたい状況なってきています。足元の相場は完全に中央銀行バブルの最終局面であると思われますが、これがどこまで延長するのかははっきりよくわからず突然途切れることも十分に想定しておく必要がありそうです。7月は束の間の一息つく期間になるかもしれませんが、ここからはかなり注意し取引が必要になりそうです。