10月末を期日としてその行方が非常に注目された英国のEU離脱問題は、依然として決着はついていませんがこの10月末に合意なき離脱が起きることだけはなんとか回避できるめどがたったため、ポンド主体の乱高下相場もこれで一旦は終了になりそうな気配となっています。

ポンド円日足推移 今年後半

ポンド円の6月ごろからの動きを見ていますと、結局8月に125.549円という安値を付けたもののその後は事ある毎に切り返してショートカバーが出る動きとなっており、結局のところショートが溜まり過ぎのタイミングに買いを入れておくと大きくとれたという相場になっていたことがいまさら理解できます。

特に10月8日からのショートカバーは11円近い上昇を示現するもので、これを下からすべてとれたトレーダーはさすがに少なかったものと思いますが、強烈な戻しであったことが今さらながらに窺える状況です。

ここから英国のBREXITに対する取り組みがどうなるのかは依然注目されることと思われますが、対ドルでパリティまでいくのではないかとされたポンド売りは今後よほどのことがない限りそこまで売られることは無さそうで、合意ある離脱に着地すればもう少しポンドが戻る余地が見えてくるものと思われます。

その場合でもドル円やクロス円がつられて上昇する可能性は限定的になりそうで、BREXITがらみのポンドディールも一区切りがつきそうな雰囲気になってきています。

週明けはまずFOMCが注目ポイント

いよいよ週明けは10月最終週となりますが、ここからの為替相場のテーマとしてはかなり限られたものになりそうですが、引き続き米中貿易協議がどのように進展しサインオフまでこぎつけるのかは大きな注目点となりますが、それ以外でいいますと29日、30日のFOMCで市場期待に合わせた形で利下げが行われるかどうかが大きな注目点となってきます。

Data CME

毎回ご紹介していますCMEのFedWatchの最新情報ではすでに10月の利下げ確率は93.5%に達しており、さすがに市場期待に応えるためには今月の利下げは避けられないものになりそうですが、その先も延々と利下げしていく方向になるのかどうかが大きな注目点になりそうです。

ちなみに12月のFOMCでさらに0.25%利下げをおりんでいる確率は27.6%とそれなりのボリュームがあることもまた事実であり、市場との対話でどのようにこのギャップをFRBが埋めていくのかにも関心が集まります。

FRBはこの10月から隠れQEと思しき資産の買入にも着手していますから、本来は一旦利下げをしたら2~3か月はその後の様子を見たうえて利下げしていくのが定石となっているだけに12月4回目の利下げを実施するのにはかなり無理があるように思われます。

日銀政策決定会合は緩和見送りという観測も

FOMCに引き続いて実施される日銀政策決定会合のほうは当初10月に緩和措置の実施が期待されていましたが、直近の観測報道ではこのタイミングに利下げ(マイナス金利の拡大)を行っても効果が期待できないことや今年ETF買いの予算がまだ2兆円残っているということからどうやら緩和見送りの可能性もではじめています。

日銀の緩和に関しては確かに米欧の中銀が行っているだけになにもしない場合失望売りが出る可能性も残されてはいますが非常に高い期待があるわけではありませんし、なにより日経平均は年初来高値をつける上昇トレンドにありますので、そのまま見送りとなる確率はかなり高そうな状況です。

ドル円は今年正月3日と8月に104円台をつけたことから長く続いた三角持ち合いを一瞬下抜けてさらに下落方向を加速させるかに見えましたが、結果的に押し戻される状況でまたしてもこの大きな三角持ち合い中に収容される動きになってしまいました。

直近では109円を超えられない動きになっていますが、上値の方も109円超えには相当な実需の売りが並んでいるようでこちらも上抜けていくのには相当なエネルギーが必要になってきています。

したがってここからの狭義には108.85円と108.150円、上下に抜けたとしても109.300円と107円当たりの値幅の中を延々とレンジ相場で展開する可能性がかなり高くなってきているといえそうで、ハロウィンの前後に買いから入る取引手法を実施しても上値がつかえたところでは利確して入りなおすといったこまめな作業を繰り替えすことを余儀なくされることが予想されます。

FXの市場参加者にとってはかなりつらい膠着状態ですが、上か下方向に明確に抜けていくまでは当面我慢強くレンジ相場の中でとれるところを積み上げていくしか方法がなさそうなところに差し掛かっているようで、週明け10月最後の相場も我慢の時間帯が続きそうです。