今年前半は週足や日足ベースで十分に引き付けて戻り売りを繰り返していればそれなりの利益を享受することができたポンドドル、あるいはポンド円でしたが、いよいよ10月31日のBREXITの期限を前にしてすっかり議会と首相が政治的にやりあるという特別なプロセスに入り込んでしまい、FX取引でポンドを扱うのがかなり難しくなりつつあります。
この場に及んで下院の決定が驚きの内容に
今回米国下院の議会が決定したのは合意なきEU離脱を阻止する法案を断末魔のいまさら可決したことと、3か月間離脱を延長することとEUの承認もとれていないのに可決してしまったことで、もはやすでに合意なき離脱しかないものをいかに先延ばしするか離脱させないかというところに全精力が傾けられてしまっている点はさすがに他国のこととは言え呆れる次第です。この二つの法案が決議されたことからボリスジョンソン首相はほぼ負けが確定してしまった感もありますが、最初からこうなることはある程度想定していたはずですから、さらになにか奇策を持ち出してくる可能性も高まりつつあります。しかもこうした内容がメディアのヘッドラインに踊るとすかさずアルゴリズムが買い上げることから必要以上の動意がでてショートカバーも進みやすいというかなり取引しにくい展開が延々と続いており、足元でもポンドは大幅に上昇するといった特異な動きを示現しています。
ただ、合意なき離脱が本当に回避できたわけではないですし、EUがどのように対応するか次第では10月31日が先延ばしになる可能性もなく、非常に状況は混とんとし始めています。
FX取引としてはほとんど博打に近い状態に
英国下院議会は一方的に法案を可決していますが、全くEUと調整ができているわけではない点が非常に気がかりで、執行部が新しくなるEUサイドがどのように対応してくるのかが注目されます。ここからの進展の可能性をいろいろ考えるというのも悪いことではありませんが、時間を費やしていくつかのケースを想定してみてもそれに対する利益が本当に確保できるのかどうかはかなり怪しいところにさしかかってきており、基本はかなりひきつけての戻り売りがワークしそうですがデイリーで短い時間足で売買をするのには相当気が引けるものがあります。ポンドという通貨は取引する人との相性の問題もどうやらあるようで常に取引しなれている人にとっては違和感はあまりないのかもしれませんが、ボラティリティがあるからという理由だけでエントリーするのは結構危な時間帯に差し掛かってきていることは事実です。ここからの取引は断定して売買するのではなく事実をひとつづつ確認してから次に進むことが重要になりそうです。
さすがにスケジュール自体が揺れ動く状況になっているようでは、ヘッドラインニュースで日々上下に大きく振幅する相場に巻き込まれて損をするリスクはかなり高くなりますからとにかく慌てないことが重要になりそうです。アルゴリズムはヘッドラインニュースで動きを加速していますが、実際には買っても売っても殆ど儲かっていないという話もあり、無闇に相場にエントリーすることは決して利益に結びつかないことをしっかり理解しておく必要がありそうです。