4月第一週にあたる先週は、国内では新年度、かつ新元号の発表もあり国内ではご祝儀相場といった声も聞かれましたが、結果蓋を開けてみればポンド以外の通貨の値動きは非常に緩慢で値幅の出ない一週間となってしまいました。
週明けはいよいよ英国のBREXITが正念場の様相ですでに期日の3月29日を超えてかなり拍子抜けの雰囲気もあり市場には飽きが来ている感も強まっていますが、まさかの事態に備えて迂闊なポジションをとりたくない時間帯が続きそうです。
ドル円は111円台に上昇したものの上値が重かった一週間
4月第一週のドル円は4時間足でみますと上昇基調には見えますが、実際の相場は毎日値動きが細るばかりで一週間を通じて1円動くのが精一杯という膠着相場入りとなりました。典型的な狭いレンジ相場ですから上下でひたすら逆張りをしていれば利は少ないもののある程度の小さな利益は稼げた一週間でした。
5日に発表された米国の雇用統計も非農業部門の雇用者数が19万6000人増と、前月の17カ月ぶりの弱い伸びから元に戻る形となりましたが時間当たり賃金の伸びは市場予測を下回っており、結果的にドル円が大きく跳ねるような動きにはならずに111.700円近辺で週の取引を終えています。
週明けの市場では好転が期待される米中貿易協議が一体どうなるのかに引き続き注目が集まりそうですが、トランプ発言ではここから4週間の継続協議、中国側からの発言でも前向きに前進しているとのことで、これを材料に112円台にレンジの下値を切り上げられるかどうかに注目が集まりそうです。
ユーロドルは引き続き英国の結果待ち
ユーロドルはドル円とともに一週間ほとんど動かない膠着相場となりました。基本的にドイツの経済指標が悪化している中にあって積極的にユーロが買われる材料はないわけですが、英国のEU離脱がどのような形に落ち着くかがはっきりしないことから大きく売られる形にもならず結果として値動きは膠着状態入りしている状況です。英国のEU離脱に向けての議会の動きは毎週のように山場を迎えていますが、12日に議会がEU離脱案を承認しない場合にはいよいよ離脱期限を迎えることになり、市場は期限の延長のほうに目が向いているもののまさかの合意なき離脱が確定してしまった場合にはユーロも応分の影響を受けることになるため相当注意が必要になりそうです。
ポンドの取引はもはやすべての結果を見てから
4月第一週ももっとも動いたのがポンドでしたが、正直なところBREXITでどうなるのかはまったくよくわからなくなっていますので議会での投票や要人発言でまだまだ上下に振幅するリスクをかかえていよいよ12日の期限を迎えることになることから、ここからは楽観視して方向を断定せずに結果が見えてからどう動くかを考えることに終始すべき一週間になりそうです。
ここまで来て危機感を煽っても仕方ありませんが、さすがにここまでもめて合意なき離脱が決定することはないと誰しもが思っている中で期限の延長について議会がうまく対応しなかった場合にはまさかの結果がいきなり示現するリスクはかなり残されており、油断は禁物の状況になってきています。迂闊にポジションを多く保有しすぎて突然の動きに巻き込まれないように気を付けることが優先されそうな一週間です。
全体的に市場には妙な楽観論が渦巻き始めていますが、材料としては認識されているものの問題視はされてこなかったようなグレーリノ(灰色のサイ)というものがいきなり暴れだす危険性は常に残っているのが現状で、あまり楽観視のリスクオン相場に安易についていかない心づもりが重要になりそうです。
また15日からはいよいよ日米の通商協議がスタートすることになりますが、こちらに内容を巡ってトランプ大統領から事前にけん制発言が飛び出すことも予想されることから、想定外の相場の急変を常に意識した対応が必要になる一週間です。とくにロングのポジションを持った場合には急変の下落に巻き込まれないようにタイトなストップロスを置くなどして資金を守る姿勢がきわめて大切な時間帯にさしかかっています。