6月3週目の為替市場は、日本時間20日午前三時に発表されたFOMCの政策金利の結果発表に注目が集まることとなりました。大方の予想通り6月は変更なしということになりましたが。声明内容やその後のパウエル議長の発言によりもはや利下げは間違いなしという見方から米株は大きく上昇し軒並み年初来高値を更新するという大きな動きになっています。さすがに週末は一定の利益確定売りが出ているようですが、利下げというネタだけでここまで上昇するのは驚きであり、中央銀行バブルの相場が確実に継続していることを見せつける展開となっています。

この結果を受けてCMEのFedWatchでは7月の利上げ確率100%となり、なんと50bpの利下げを見込む確率も3割近くに迫るなど完全に市場は利下げを織り込む結果となってしまっています。

長期の三角持ち合いを明確に下抜けたドル円は下落トレンド入り
Data CME

こうなると7月FOMCではもはや利下げをせざるを得ない形になってきてしまい、完全にFRBの政策は市場の催促相場に飲み込まれた状況です。

米債市場のほうは株式市場とは全く反応が逆の状況で債券金利は短期から長期に至るまで一段と下落し逆イールドはさらにその動きを深める状態となっています。

長期の三角持ち合いを明確に下抜けたドル円は下落トレンド入り
Data FT

ドル円は長期の三角持ち合いを明確に下抜け

長期の三角持ち合いを明確に下抜けたドル円は下落トレンド入り
Data Tradingview

為替のほうは株価の大幅上昇に支えられていることから急激なドル安にはなっていませんが、それでもドル円は107円台に突入し長期の三角持ち合いの下値ラインであった107.700円レベルを明確に下抜けて107円近辺まで下げる展開となり、107円中盤に戻ることもできずに週の取引を終えています。今回は下値支持線を少しだけ下抜けたという状況ではなく、確実に持ち合いの三角から外に出る形となっています。したがって週明け6月最終週の相場ではさらに下値を試すことが予想される状況です。

ただし、週末28日、29日にはG20 大阪サミットが開催されることから、この会議自体への期待度は低いもののその間に開催されることになった米中首脳会談の結果次第でまた大きく振れる展開にも注意が必要になりそうです。

また米株がかなりの堅調性を示していることからいきなりここから107円を割ってどんどん下落していくかどうかは不明確で、ある程度の戻りを試しながら下値を模索する展開が続きそうで、6月最終週は107円台でのもみ合い時間が長くなりそうな状況となってきています。

ユーロはドル円次第でさらに上昇も

長期の三角持ち合いを明確に下抜けたドル円は下落トレンド入り
Data Tradingview

一方ユーロドルのほうはECB理事会後のドラギ総裁の緩和意向発言を受けて下落傾向にありましたが、20日のFOMCの結果以降ドル安が大きく進んだことから逆に大大きく上昇する展開となっており、1.13台に乗る形で週の取引を終えてます。本来ユーロは買いあがる材料があるわけではありませんが、主要国の本格的な通貨安戦争のなかで相対的にドルが弱含めばドルが売られるという形でユーロドルが上昇する可能性は高く、さらに上を目指す可能性も出てきています。

米中首脳会談の結果で相場乱高下の可能性

G20 でもっとも注目されるのはやはり米中首脳会談ですが、何等かの決着がつく状況とは思えないものの、外交辞令的な発言で今後とも継続して協議を行うといった発言が飛び出す可能性は高く、とくに米国側が関税の引き上げを見送った場合には株価が一段と上昇する可能性もあるため、とにかくこの結果がはっきりするまでは週前半の相場はあまり動かない可能性もありそうです。

ここからは政治的な発言に相場が左右される時間帯ですから、結果を断定することなく柔軟に対応できるように売買の準備をしていくことが重要になりそうです。

米国とイランの状況も警戒が必要

長期の三角持ち合いを明確に下抜けたドル円は下落トレンド入り
Photo AFP https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190621-00000024-jij_afp-int.view-000

イランが米国のドローンを領空侵犯から撃ち落とした問題は一触即発になりかけましたが、トランプ大統領が一旦GOをかけた攻撃をストップしたことから決定的な問題にはならずに週を超しています。

しかしこれで完全に戦闘が回避されたわけでもなく、今後の状況次第では結果的に戦争が始まる危険性もありそうです。米国は石油資源を自国で確保できるようになったことから中東の地政学リスクが株価にほとんど影響を与えないというこれまでとは異なる状況になっていますが、日本をはじめとする産油国にとっては大きな問題で、リスク回避で円買いが進めばドル円でも思わぬ円高が加速する可能性もありそうで、こちらにも一定の注意が必要になりそうです。

こうしてみますと週明けの相場はかなりの部分が政治的な影響を受けることになりそうですので、突発的な要人発言やニュースのヘッドラインで相場が急激に反転するといったリスクも高まりそうです。しっかりストップロスを置いてまさかの時にも大きな損をしない構えが必要になりそうです。