今週は米国が感謝祭となることから、その前後から大幅に市場参加者が減り、相場はほとんど動かないことになりそうな状況です。
これは今年に限ったことではありませんので、本邦の個人投資家もゆっくりお休みして英気を養っていただきたいものです。
しかしこのまま年末まで、無風の相場が続くかといえばどうやらそうではなさそうで、台風の目は12月中盤に次々と市場に襲い掛かってくることが予想されます。
12月11日からが相場の天王山
感謝祭を通過した12月相場は、第二週の11日から週をまたいで12日まで、次々と多いイベントを抱えています。
11日(12日午前4時FOMC)
まず11日は米国FOMCが開催され、12日の日本時間午前4時に政策内容が発表となります。
こちらはすでに利下げはないことが織り込まれていますが、来年どのようになるのかについてパウエル議長が発言することで相場が動く可能性は高そうで一応マークしておく必要があります。
12日英国総選挙(13日開票)
12日は英国の総選挙が開催され、開票は13日になります。
となると、2016年のBREXITの投票結果公表と同様に東京タイムで、その結果が明らかになるはずです。その結果次第では、かなり相場が荒れることが予想されます。
基本的にはポンド主体で相場が動くことになりますが、ドルやユーロが大きな影響を受けることも十分に考えられ、かなり注意が必要になりそうです。
12日ECB理事会政策発表
12日はECB理事会が開催され、はじめてラガルド新総裁が会見に応じることになります。
このラガルド総裁は、IMFの専務理事を務めていますが、もともとは政治畑の人で必ずしも経済や金融に詳しい存在ではありませんから、ECBをどのようにハンドリングしていくのかが非常に注目されるところです。
デビュー戦ですから、大きな動きは出ないものと思われますが、発言次第では相場が大きく上下することも考えられますので、注意深く状況を見守る必要がありそうです。
15日米国の対中追加関税発動日
15日は一旦リスケになった、米国の対中追加関税の発動日となります。
もちろんこの15日の前に、どのような交渉と合意が得られるのか、あるいは香港人権法案の実施をめぐって米中の対立が厳しくなり、結果的に追加関税発動となってしまうのかが非常に注目されるところです。
11月末から12月初旬にかけては、この問題から相場が相当乱高下することが予想されます。
トランプ大統領としては、ここで安易な合意を取り付けてしまいますと、民主党のオバマ、ヒラリークリントンとの差別化ポイントを失うことになりますから、今後の選挙対策上も予想以上に厳しい対応をする可能性が高そうです。
そうなると株も為替も思いのほか、下落する危険性を考えておく必要がありそうです。
19日日銀政策決定会合
19日は首相国としては一番遅いタイミングで、日銀の政策決定会合が開催されます。
事前の予測では、12月の緩和措置の実施はないものの、1月実施を黒田総裁がほのめかした場合には、ドル円中心でそれなりに相場が動くことも考えられることから、クリスマス前最後のイベントとしてマークしておく必要がありそうです。
12月中旬 米国大統領弾劾に関する下院裁決の実施
現状の日程は未定の状況ですが、米国トランプ大統領の弾劾に関する下院の採決が実施されるのが、12月中盤と言われています。
国内ではほとんど大きな報道にはなっていませんが、米国内では日本の安倍首相の桜を見る会の問題など比較にならないほど、メディアがこの問題とヒアリングを中継し続けており、有権者の関心も極めて高まりを見せています。
基本的に上院は共和党が押さえていますから、弾劾が通ることはあり得ないと思われます。
しかしその報道をめぐって、相場が乱高下することは十分にありそうです。
ざっと見ても、これだけの材料が目白押しなのが、12月中旬までの相場となります。
一つ一つの材料にはかなり強弱があるのは事実ですが、やはり米中協議の決着、追加関税の実施と英国の議会選挙結果が大きなインパクトを与えそうで、年末押しつまる時期ではあります。
注意して相場に向き合う必要がありそうです。
今年の秋口の為替相場は本当に動かない時間帯が長かったわけですが、年末ぎりぎりで急に動意づく材料が日替わりで登場することになりますので、気を引き締めて対応したいものです。