今月最大のイベント週間となった12月第2週でしたが、FOMCとECB理事会はほぼ無風で過ぎ、米中貿易協議は一応第一弾の合意ができたことからドル円は大きく上昇しました。

その後、英国の総選挙で保守党が勝ち大躍進したこともありポンドは大きく上昇、ドルは全般的に弱含みとなったものの、ドル円は1円程度上昇する相場となりました。

ただ、13日のNYタイムに中国との関税の合意内容が開示されてみますと、事前報道に出ていたようなものよりは後退しており、15日からの追加関税が辛うじて回避されただけのものとなっていました。

しかも、中国側の農産物購入金額も別にコミットされたものではないといった内容であったことから、一時さらに100ドル規模で上昇したNYダウはあっさり100ドル安へと落ち込み、3.33ドル高程度の株高で週の取引を終えています。

同時期に弾劾の訴追決定もあったことから、トランプとしては国民の目を他に反らすものとして、早く中国との第一フェーズの実績を持ち出したかったようにも見え、結果的に第一段階は中国の粘り勝ちに終わったようにも見えてくる状況となっています。

また、英国総選挙のほうは事前の予想よりも強い形で保守党が単独で過半数を獲得することができたことから、1月末のBREXITは確定的な状況となり1年かけてEUとの交渉を行っていくことが見込まれ、こちらもリスクが大幅に減少した格好になっています。

週明けはすでにクリスマス休暇モードで市場参加者激減

米株市場の方の今年は、ほぼ例年のシーズナルサイクルをトレースする様な動きとなってきていますから、クリスマス後にむけてラリーが展開する可能性も出てきています。

為替のほうは、クリスマス明けまでは大きな動きにならないのが例年の動きで、110円手前まで上伸したドル円が果たしてこのまま上値を試すことになるのかどうかが気になるところです。

ドル円1時間足

チャート的には日足で200日移動平均線を超えていますし、さらに上を目指しても決しておかしくはありませんが、材料が出尽くしている上に市場参加者も減っている状態で、本邦の輸出勢と機関投資家が挙って上値で売りを出してくる状況で、果たしてここから110円をすんなり超えられるのかどうかはかなり難しそうな状況です。

むしろ一旦利益確定で下落して、クリスマス以降の上昇を期待すべきなのかも知れません。

20日には日銀の今年最後の政策決定会合も予定されていますが、現状維持の可能性は極めて高く、これが動意の材料になるとは思えない状況です。

ユーロ円もポンドの上昇に合わせて強含みましたが、13日アジアオセアニアタイムの窓開けの部分を埋める動きになっており、年内は依然としてレンジ相場が続きそうな気配です。

特に年末はドル買い需要も盛んになることから、ユーロが一方的に上がる可能性は低そうではありますが、ここのところ弱いドルの動きをみますと、一定の上昇は期待できそうになってきているようです。

ユーロドル1時間足推移

いずれにしても、12月の大きなイベントは既にすべてこなし、リスクもかなり一掃されていて下げ相場の状況ではありませんが、市場参加者も減少していることから大きな動意が得られるとは思いにくく、むしろ26日以降のクリスマスラリーのほうを意識するほうが利益にありつけそうな時間帯になっています。

動かない時にはあまり無理をせずに、次のことをじっくり考える時間に充てることのほうが得策かも知れません。

年末に顧客からの解約や閉鎖を決めているヘッジファンド勢は、この時期に手じまい売りを加速させることから想像以上に相場が反転下落するリスクも高まります。

特に参加者の少ない時間帯はそうした動きが大きくなることもありえますので、あまり無理することなく相場を見守るのも重要な時間帯です。