米中通商協議第一フェーズもクリアして米株市場はまた大きく上昇に向けて走り始めています。

これはひとえにFRBがレポ市場に過剰とも思える資金を投入し、隠れQEを強引に推し進めている結果として株式市場に資金が流れ込んでいるせいであると思われますが。短期のレポ市場から資金を調達するヘッジファンド勢などはこれを利用して株を買い向かっているようでとにかく上昇は止まらない状態です。

ほとんどファンダメンタルズは相場の上昇に関係ないのが現状で、悪い材料は無視していい材料がでるとさらに上昇するというきわめて異常な状態が続いています。

まさにバブル相場そのものですが、かと言って売りに回るのもきわめてリスキーな時間帯です。

NY連銀とバンクオブアメリカの公表しているデータによりますと、上の図のようにFRBが市場に供給している資金は完全に過去最高のレベルに達しており、こうした供給体制は少なくとも今年6月までは継続される見込みであることから、春先まで米株が大きく下落することはないのではないかといった強気な見方も市場に広がっています。

ウォーレンバフェットが自らの株式売買の指標として利用していると言われるバフェット指数は株式市場の時価総額を名目GDPで割って100をかけたものですが、すでに155とITバブルの絶頂期を超えており、それ以外のさまざまなこの手のインジケーターも前代未聞の高いレベルを示現するなど既に相場は異常事態とも思える状況が延々と継続してしまっています。

しかしまだショートを振るべき状況ではないという見方が大勢

レベル感で勝負する裁量取引の個人投資家ですとこの辺りで一度売りから入ってみたいと誰でも思うものですが、どうも市場はまだ決定的な過熱感はなく、まだ相場は上昇しそうな気配です。

バンクオブアメリカが開示している株式相場のインジケーターは足元では6.5を示しており危なくなっていますが、直近での最高値である8.6は2018年1月の暴騰相場の時につけており、これだけ高くでもまだそこまで達していないことを示しています。


バブル相場の末期は株とコモディティがもっともよく走り、怖さを知らない個人投資家が相場の最後までついて行こうとするものですが、だいたい下落が始まると押し目を間違えて買い向かい、それまでの利益をすべて吐き出して終わることが多いだけに、ここからの相場に自信が持てない場合はとにかく相場から降りて次なるエントリーチャンスをうかがうのもひとつの戦略といえます。

相場の最終局面までついて行くと必ず降りれなくなり結局損をするケースが多いだけにこの段階は注意する必要がでてきているといえます。

為替相場はまた全く動かない世界に突入

為替の世界に目をやりますと昨年から引きずってきた材料がほぼ消化されてしまい、市場は新たなテーマを探し始めていてまた動かない時間帯に突入してしまっているようです。

ドル円は米株の好調さを横目でにらみ若干上昇して110円台に乗せてきていますが、ここから大きく買いあがる材料もなく、なにより本邦で下値で買ってきている機関投資家やGPIFなどが上値で利確して反対売買をするという綿密な取引を行っていることから111円方向にどんどん進むようには見えない状況になってきています。

1月末のUKのEU離脱は既に決定的な状況ですから市場はそれをしっかり織り込んでいる状況で、こちらも材料としては機能しなくなっています。

1月24日からは中国が旧正月に入ることからさらに動きはなくなりそうで新年早々ながら為替の動意はまたしても緩慢な時間帯に突入しようとしているようです。

ドル円もユーロドルもほとんど動かない状況になってきていますので、ほかの通貨ペアやスワップなどで稼いでいくことを真剣に考える必要が出てきているようにも思われます。

新年あけてまだ2週間ほどですが、FXはいきなり難しい局面と迎えているようにみえます。