Photo AFP 時事 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020101800253&g=int&p=20201018at13S&rel=pv

米国大統領選挙まであと少しとなってきましたが、ここへきてトランプが選挙集会において今回の大統領選に敗北した場合には、米国を去ることになるかもしれないと冗談と本当ともとれるかなり意味深な発言をし始めており、その真意に対して様々な憶測が飛び交いはじめています。

トランプ自身は様々な問題について実に3500を超える訴えを起こされているとされています。

大統領の座から降りた場合には、想定外の様々な問題にぶち当たり最悪逮捕されるのかもしれないといった心無い見方をするものも出てくる始末で、日本でいえば日産のカルロスゴーンの国外逃亡をイメージさせるだけに決して穏やかな発言とは思えない状況です。

どこまで真に受けるかは非常に問題ですが、実際にトランプは多額の借金を抱えており、刑事訴追のようなことはなくても数年後には破産せざるを得ないという厳しい見方をする向きも多く、カジノや航空会社、ゴルフ場、ホテルビジネスの破綻・不振で現在4億2100万ドル(約445億円)の債務を抱え、そのうち3億ドル超は4年以内に返済期限を迎えるという現実にも直面しているようです。

そうでなくても新型コロナであらゆる企業経営は難しいところに差し掛かってきているわけで、トランプ敗北となった場合には不測の事態が予想されることは確かなようで、選挙が終了してもその後の米国内の状況はかなり混沌とすることも考えられるだけに、選挙結果のみならず注意が必要になってきています。

バイデン陣営も問題噴出で予断を許さぬ状況に

Photo Reuters https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50965380U9A011C1EAF000/

バイデン陣営ももともと叩けば埃の出る存在と言われてきましたが、ここへきてバイデンの息子のハンターが父親にウクライナのビジネスマンを紹介した動かぬ証拠の記事がニューヨークポストに掲載され問題になってきています。

また、すでに倒産している中国の大手石油会社・中国華信能源(CEFC チャイナ・エナジー)との関係についてハンターが当時副大統領だった父親のジョーバイデンに同社幹部らを紹介し、中国の大手石油会社への便宜も兼ねた投資等に関与していたという、やはりそうなのかという疑惑も飛び出しており民主党側は火消しに躍起の状況です。

とくにこの件ではSNSのメールの中身が個人情報にあたるとして、開示を制限したことがさらに火に油を注ぐ格好となりました。

結果的に多くの注目を集めてしまったことは事実で、ジョーバイデンとその息子も決してクリーンな存在ではないことを印象付けた結果支持率が下がり始め、一部のメディアではトランプが勝利するのではといった観測も飛び出す状況となっています。

どちらが勝利しても米国内は南北戦争2.0のような分断状況に

この大統領選挙を巡っては米国内でも激しい対立と分断が起こっており、どちらの大統領が勝利してもかなり国内では国民の対立が激化するのではないかといった見方が強まりつつあります。

今年全米各地で巻き起こったBLM・Black Lives Matterの運動は、基本的な発想こそだれも否定できない正義感溢れるものであるものの、実態としてはトランプを引きずり下ろすことを目的とした暴動に過ぎない状況にもなっていることから、口には出さなくても多くの市民がこうした暴動的状況に辟易としており、実は隠れトランプの支持者も相当いるのではないかとみられているのはこのせいだという説もではじめています。

実際バイデン有利ということで、米国内ではあらためて銃が飛ぶように売れ始めているという不穏なニュースも流れているだけに、21世紀の南北戦争的な市民の小競り合いがでる危険性は否定できません。

とくにトランプ敗北をきっかけに、逆に暴動を仕掛けようとしている向きも存在しているようで、大統領選の決着だけで騒ぎがすんなり収まるとは思えないところに来ていることがわかります。

こうなると株や為替に影響がでるのは必定で、今年に関してはまずだれがいつ大統領として正式に選ばれるのか、そしてその後の米国社会の状況を粒さにチェックしていくことが求められることになりそうです。