日本国内ではすっかり国民に広範に飽きが来てしまった感のある新型コロナの感染ですが、欧米に比べて致死率が低いこともあってか、あまり気にする必要はないのではないかといった楽観論も広がりをみせています。
この新型コロナについての全容は依然把握できておらず正確なことはよくわかりませんが、最近では東アジアの人々の低死亡率は体内に抗体がなくても細胞なるものがウイルスを撃退してくれることが原因ではないかといった説も強まっている状況です。
ただ、依然として罹患すれば死亡する人も現存しているのも事実で、感染した人々がその後回復しても相当な後遺症が残るという話しもあり、通常の風邪のようなものではないことも現実の問題として浮かび上がりつつあります。
この新型コロナウイルスは地域によって変異して必ずしも同じものではなくなっている可能性も高まりますが、欧州圏ではこのウイルス感染が再拡大しており、物理的なロックダウンで対処是ざるを得ないところまで事態は深刻化しはじめています。
12月に再拡大する可能性はかなり高そうな状況
英国がEUと離脱交渉を行っており、この月末にかけてはさらなるその詰めがどうなるのかが非常に相場の関心事になりつつあります。
その一方で英国では新型コロナの感染が再度拡大しており、ボリスジョンソン首相はその対応に追われています。
英国ではまたしても厳しいロックダウンの体制がとられようとしており、とにかく人と人が接触しないことが最大の注力点になろうとしています。
ドーバー海峡をはさんで向かいに位置するフランスも上の地図をみると、感染は猛烈に拡大しており真っ赤な状況で、英国同様に四国な事態に陥りつつあります。
一方ドイツはこれまでほかのEU地域に比べると比較的二次感染は緩やかにみえましたが、周辺国でこれだけ感染率が高まっている状況で影響を受けないはずはなく、メルケル首相もあらためて人と接触しないように国民に呼びかけており、結局感染が拡大してしまうと人と接しない以外には有効な手段がないというかなり逆戻り間の強い状況が続いています。
経済に大きなダメージを与えるのは当然覚悟が必要
この新型コロナの問題は、世界的に株式市場では大きなリスクとしてはとらえられなくなっており、感染拡大をもって株価が下がるということはほとんどなくなりつつありますが、実体経済に及ぼす影響は相当深刻であり、景気が悪いのに株価だけ上昇をし続けるという株式市場の状況にどこかで反転する場面がいよいよ現れる可能性が高まりをみせています。
既に為替相場では、新型コロナの再感染拡大がユーロに微妙に影響を与えはじめているように思われ、12月に向けてさらに大きな動きになることが危惧されるところです。
新型コロナ感染で各国が金融緩和とこれまでにない財政政策を打っているわけで、市場に湧いてだた余剰資金が株式市場に流れ込み、実態経済とは関係なく株を押し上げてコロナバブル景気が金融市場にだけ示現するというのは仕組みとしては理解できます。
しかし、景気が低迷してさらに感染拡大でもう一段下落して大変な状況になるかもしれない中で、株価だけ無闇に上昇するというのも相当納得のいかないものがあり、それに修正が入るのは当然の問題ともいえる状況です。
日本国内は依然として海外とは関係ない状況なのか
本邦では各種のGo Toキャンペーンが実施されるようになっており、広範に国民に飽きがきていることもあってか12月、年末年始にむけて新型コロナリスクが高まるという見方はまったく認識されていない状況です。
来年こそは無理やり東京オリンピックを開催したいと菅首相は平気で口走っていますが、果たしてそんな楽観的な状況になるのかどうかが非常に気になるところです。
米国の株式市場はGAFAMといった5銘柄にあまりにも資金が集中しており、それ自体がリスクにつながりつつ国内ではそうした強力な株が存在しているわけでもなく、果たして日経平均は年末にむけて新型コロナの影響を無視して上昇し続けるのかどうかが大きな注目点になりそうです。
現状では英国のBREXITと米国の大統領選挙に目がいきがちですが、新型コロナの問題はまだなんら解決がついておらずワクチンの開発も遅延気味で、下手をすれば来年も感染が継続するという最悪のシナリオを意識せざるを得ない状況です。