今年もついに12月入りということで、クリスマス前にまともに相場が動くのも実に15日程度ということになりました。

一般的に米国の感謝祭明けは相場のセンチメントががらりと変わることも多いことから、週明けはどのように相場が変化するのかを見極める必要がでてくることになりそうです。

ドルインデックスで見ると弱含みしそうな状況

ドルインデックス年初来の動き

まずドルインデックスでみますと、8月以降ずっと下値をサポートしてきた92を若干ではありますが割り込み始めており、ここからはさらに下値を試しそうなチャート形状になっていることが気になります。

これで明確に92を割れますと次は88、さらに下では80レベルまでは下落する可能性がテクニカル的には感じられるところです。

米国大統領選挙などもあって例年とは異なる動きをする為替相場で、果たしてこうした動きが明確なトレンドとなってでてくるのかどうかに注目が集まります。

ドル安の兆候を発見するのに持って来いなのがポンドドルの動向

週明けドル安が進むのかどうかを占う通貨ペアとして注目したいのがポンドドルの動向です。

ポンドは英国のEU離脱交渉が進展しなかったことからかなりショートが溜まる動きとなっていますが、直近ではどうやらドラスティックな交渉の破綻は起こらなさそうな意外な展開となっていることから、週明けドル安が進みポンドの買戻しが加速すれば対ドルで1.35を超えた上昇を示現する可能性があり、これが他のドルストレートに大きな影響を及ぼすことが考えられます。

ポンドドル過去3か月の推移

ドル安が進めばドル円は103円割れも

ドル円はほかのドルストレートに比べて方向感ははっきりしませんが、先週感謝祭を挟んだ一週間では徐々に上値が重くなり、とうとう27日には市場参加者が少ない中で103円台に沈み込むような動きを見せました。

ドル円5日間推移

週明けは月末も絡みますので一旦上昇する可能性が高くなりますが、ドル安が進行することになればドル円も103円台を下抜けて102円台に突入することもあり得そうな状況です。

本来年末のドル円の需給としては、だんだんとドルが買われやすくなるのが通例で今年はドル安が進むことも考えられることから、初動がどうなるのかを見て取引と決めていきたいところです。

先週一週間でいいますともはや105円に戻る気配は全くなくなっており、実需の売りも徐々に104円台に下がってきていることが感じられます。

このまま週明けもドル安が進めば再度103円台を試し103円割れまで押し込むことも考えられます。

ただ、この時期いきなり暴落になることも考えにくく、ドル安が進むとしても穏やかなものになるのではないでしょうか。

ユーロドルはさらに上昇する可能性

一方ユーロドルはドルインデックスの57%を構成する通貨ペアだけにドル安局面では徐々に上昇しそうな状況で、それなりにロングも積みあがっていることから果たしてドル安でどこまで上昇できるのかがポイントになりそうです。

ユーロドル先週5日間推移

ユーロ圏は11月以来厳しい新型コロナ感染が続いており、多くの国が事実上のロックダウ状態で経済的にも決してプラスに働くような状況はなく、ここから一方的にユーロ高が進むとは思えませんが、相対的な通貨の関係からドルよりは強含むことも考えられ、あくまでテクニカル的にその動きが確認できてからエントリーしていくことが重要になりそうです。

今年については各通貨ペアごとにシーズナルサイクルは必ずしも守られているわけではありませんから、断定せずに動きが確認できてから売買するといった慎重さが求められることになりそうです。