株式市場の一部やビットコインをはじめとする仮想通貨相場では、大きく相場が上昇する場面もみられた2月第二週の一週間でした。
為替のほうは中国が旧正月に入りアジア圏での市場も後半閉場となったことと、日本の建国記念日の休日などもあり、あまり大きな動きは見られない一週間となりました。
2月は短いこともあって週明けからはすでに月の後半という状況になりますが、果たしてなにが明確な相場の材料になるのかを見極める週が展開しそうです。
ドル円は雇用統計後1円以上下落もさらには続落せず
ドル円は前週米国の雇用統計がらみで105.700円近くまで上昇し上方向をさらに辿ることが期待されましたが、NFPの結果がそれほどのものではなかったこともあって下落がはじまり、週明けには105円を維持できなくなり104.400円レベルまで下押す展開となりました。
200日移動平均線をためしに行った動きは完全に失敗になってしまったといえます。
下値も104円を下抜けるほどの力はなく、104円近辺では市場の買い意欲も感じられたことから、下値も堅い状況で週末に向けては再度ショートカバーを含めて105円台へ回帰する場面も見られました。
ただ、105円ジャストには24億ドルと見られるオプションが存在していることから、105円を超えてもオプションをバックに売ってくる向きもいて、結局105円台手前で週の取引きを終えることとなりました。
いよいよ本邦は年度末になってきていますから、金融当局もできるだけ下げさせたくないでしょうし、実需の輸入税は下げると積極的に買いをいれてくる動きもあるようで、週明け一旦下げ相場が再来したとしてもどこまで下値を試すかがかなり微妙な状況になりそうです。
今のところ105.500円と104.500円をコアのレンジにして、それよりもさらに上にいくか下にいくかの展開を考えておく必要がありそうで、下がらなければ当然買い向かうチャンスを探ることもありえそうな状況です。
ユーロドルも緩やかな上値追いか
ユーロドルのほうは2月5日に1.1952レベルまで下押ししたあと、先週後半に向けて1.2150まで反発する動きとなっていることから、ドル高は一服している気配が感じられます。
ただ、ファンダメンタルズ的にみればユーロ圏経済は相変わらず新型コロナの脅威を受け続けており決して回復基調ではありませんし、ECB高官が事あるごとにユーロ高をけん制してくることになりますので、ここからさらに上昇するかどうかはかなり疑わしい状況です。
週明け以降上昇するとしても1.22レベルまで戻せるかどうかのゆるやかな上値追いの時間が続くものと考えられます。
ドルの方向感がない中でポンド取引に妙味も
最近の相場を見ていますと、結局ドルの方向感がはっきりしないことが為替相場全体の方向性を欠く結果となっていることがわかり、唯一通貨の中で上昇が見込まれそうなのがポンドということになります。
英国経済も少なからず新型コロナの影響をうけてGDPは縮減するなど確実な影響を受けているようで、2016年から延々と売られてきたポンドがBREXITの決着で一定レベルまで買い戻される可能性は依然として強そうで対円、対ドルで押し目を買っていくのはこの時期の為替相場の取引きではもっとも底堅そうに見えるところです。
動かない為替相場を見限って、多くの個人投資家が米株や仮想通貨など安易な利益にありつける商品のほうにシフトしはじめているようですが、米国にインフレが到来することになれば確実に為替相場にも影響が及ぶことになり、想定外の大きな動きがやってくることも考えられます。
引き続き動く通貨ペアを選択して、利益獲得につとめながらも主要通貨の動向を注意深く見守ることが次なる収益ゲットの近道になりそうな時間帯です。
3月が近づきますと実需の動きも活発化してきますので、ドルもユーロもそれなりの動きが示現されるはずで、今しばらく我慢する必要がありそうです。