昨年FTXが突然破たんに追い込まれて以降、仮想通貨取引所にはそれなりの影響がでていましたが決定的なダメージを受けることはなく推移しているかのように見えました。
しかしここへ来てかなり深刻な影響がではじめており市場は大きく動揺しています。

ビットコインはアジア時間3日午前に約2週間ぶりに安値に下落し、アルトコインもほぼ同様の展開となって週末を迎えています。
ビットコインは一時6%安まで下落してその後は一旦落ち着いていますが、戻りを試すような状況にはなっておらずここからどうなるのかに注目が集まっています。

もちろんビットコイン以外のアルトコインも広範に下落しており、市場に与えたネガティブな影響がかなり大きいことにあたらめて驚かされます。

Data Traingview

今回の仮想通貨相場下落の引き金を引いたのは3月1日にシルバーゲートが年次報告書の提出延期を表明したことに起因しており、コインベース・グローバルやギャラクシー・デジタルといった仮想通貨取引所大手が次々とこの暗号資産銀行との取引を解消しはじめたことから、その影響がもろに出る動きとなっていまいました。

このシルバーゲート銀行はSilvergate Capital Corporationの完全子会社で、1988年にアメリカカリフォルニア州ラホーヤで設立されたもので意外に長い歴史を誇る銀行です。
設立当初はコマーシャルバンクとして運営していましたが、2013年にデジタル通貨イニシアチブと呼ばれるプロジェクトを開始し、仮想通貨の取引に最も早く乗り出した銀行であり、ある意味先見の明のある金融機関となりました。

同行はSilvergate Exchange Networkと呼ばれる独自の交換システムを構築し、24時間年中無休で米ドルと仮想通貨の交換が可能な決済サービスを提供しており、ここ数年でかなり顧客数が増え取引実績も順調に伸びてきていました。
ところが昨年この銀行がFTXやその創業者SBFが運営するヘッジファンドであるアラメダ・リサーチとの取引が問題視され、米国議会でも調査の対象となってからというもの一気に逆風が吹き荒れ、それを嫌気する投資家、取引先が続々と資金を引き出すある種の取り付け騒ぎのような形になっており、経営状態が急速に悪化することとなります。
恐らくこの過程で手持ちの証券や仮想通貨を売り払っていることも、ビットコインの価格下落に寄与する形になってしまったものと思われます。

シルバーゲートの株価はすでに58%も下落しており、このまま破綻することになれば仮想通貨市場にさらに大きな影響がでそうで週明けも目が離せない状況が続きます。
米国の証券規則では、シルバーゲートのような規模の株式公開企業は10-Kと呼ばれる包括的な年次報告書を会計年度末から60日以内に提出することが義務付けられており、シルバーゲートの提出期限は3月1日だったのですが、いわゆるNT10-Kを提出して理由を説明すると期限が15日間延びることになり、3月15日にまた大きなヤマ場を迎えることになります。
今回仮想通貨に関わっているといっても、民間の銀行が破綻にFTXの件にからんで破綻に追いやられそうになっているのは米国金融市場でも非常に大きな注目を集めている状況です。

同社はすでにFTXおよびグループ内のトレーディング会社アラメダ・リサーチとの取引を米司法省の金融詐欺担当者が捜査していることが明らかになっていますが、刑事責任が追及されない可能性もあり、この部分がどうなるかも事業の存続に大きな影響を与えることになりそうです。
昨年破綻したFTX創業者のサム・バンクマン = フリード(通称SBF)は共謀、電信詐欺、マネーロンダリング等の容疑で起訴されており、それに関わっている仮想通貨関連の取引企業は広く捜査の対象となっているだけに、ほかにシルバーゲートのような企業がでてこないのかどうかにも市場の関心が集まります。

ビットコインなどの仮想通貨FX取引は当面様子をみるべき時間帯に

ビットコインは年初に大きく下げたところから3月に入って40%近い上昇を果たして値を回復してきましたが、シルバーゲートの件でとんだ冷や水を浴びせられる状況となっており、今回の下げがいい押し目になるのかどうかはまだはっきりしません。
とくに1日で6%も下げると言うのは相当なダメージで、仮想通貨FXでビットコインを買い持ちしている向きにとっては強制ロスカットになりかねない下落であることも危惧されはじめています。

欧州系の仮想通貨FX業者はほとんどゼロカットシステムを実装しており、どれだけ相場が暴落しても投入資金以上の損失を負担する必要はありません。
しかし米国内の仮想通貨FX業者の場合、通常の株式取引などと同様に相場の暴落ではしっかり追証を求められるので、手持ちのほかの金融資産で利益がでているものを売り払ってその資金を捻出するといった動きもでやすく、結果的に全部売りの市場が示現する危険性もあるため、仮想通貨と関係のない金融投資を行っているトレーダーも十分に注意する必要があります。

現物保有の売買さえあれば価格が戻るまで塩漬けにして待てば事なきを得ることができますが、大きなレバレッジでの仮想通貨取引の場合6%などの暴落を食らうと一気に証拠金をい失うことになるので、しっかりストップロスを入れるなどの対策をとらないと、とてつもない損失を食らいかねない状況です。
この問題が一息つくまでは一旦様子見をするというのも重要な投資戦術となるでしょう。