為替相場の場合先行きがよくわからない、またどこまで上昇するか下落するかはっきりしないといった状況の時、多くの市場参加者が頼りにするのがオプションの存在です。
相場に方向感が見られず、とくに上昇のレベルが不明と言ったときにはプットオプションがよく買われることになりますが、2月後半から3月に入ってからのドル円相場ではこのオプションの短期設定が非情に増えており、これが相場の動きを制御して翻弄する大きな要因となってしまいます。

ドル円のオプションについては接触すればそれで消えるノータッチオプションのようなものも大きな上下動が伴う時にはよく見られましたが、最近のオプションはあくまでプレーンなもので、コールオプションやプットオプションが中心で実需と言うよりは投機筋が設定しているケースが多いようです。

オプションは最後は設定金額に吸い寄せられる展開に

直近のドル円では135円や136円、137円といった節目に大きなオプションが集まりやすく、最初はオプションに近づくと反対売買で出てそれを超えられないといった動きも示現しますが、やがて超え始めるとオプション見合いで売ったり買ったりする向きが現れることから、設定価格から離れなくなり緊迫した状態が続くことになります。

足元では連日136円に新しいオプションが次々と設定され、古いオプションがNYカットで消滅してもまた新たなオプションが相場の行く手を阻み、動きがとれなくなるといった状況が続くことになります。
こうなってしまうとテクニカル的に方向感が出ていても上値を追えない、また下値は逆に買戻しが進むことになるため前後50銭程度のレベルで期日を迎えるまで連日行ったり来たりを繰り返すというやりにくい相場が続くことになります。

この手のオプションは期日を超えてすべて解消されると動きが大きく変わりますが、次々と短期に同じ水準に追加のオプションがでるというのはかなり珍しい状況で、それぐらいドル円は市場参加者の先行きの方向感がよく判らないことを示唆していると言えます。
短期間のオプションが乱立するというのは投機筋の仕業であることが多く、ドル円は目下相当特殊な状況下におかれていることが見えてきます。

ドルストレートの主要通貨が中心のオプション取引

このオプション取引は投機筋のみならず実需筋も購入することがあり、ドル円やユーロドルといった主要通貨では様々なものが登場するため複雑になります。
オプションについてはいくつかのFXサイトや店頭FX業者などが直近の情報を開示しているので、注意深くそれを確認すればどうして相場が停滞するのか、上に行ったはずの動きがまた元に戻ってくるのかなどが理解できるようになり、オプションを持っていなくても上下のオプショントレードに参加するといったことも可能になるので、まず情報収集が大きなポイントとなります。
クロス円などでも物理的にはオプション売買は可能ですが、圧倒的に多いのはドルストレートでとくにドル円はその花形的商品ということになります。
相場の動きが妙に制御されると思ったらまず疑う必要があるのがオプションの存在で、ドル円はとくにそれを疑う必要がある通貨ペアです。

個人投資家が売買できるバイナリーオプションもれっきとしたオプション取引の一つです。
一定の時間で相場が上か下かを当てる取引なのでここでご紹介しているオプション取引とは若干異なりますが、国内の業者で個人でも購入は可能となります。
株の場合オプション取引で大きな利益を上げる個人投資家が多いですが、為替でオプションだけで取引して儲けを獲得するという投資家は相当限られているようで、そういう意味でも為替のオプションは個人が手を出しにくい領域です。
したがって実際にオプションを売買することに専念するよりも、上述のようにオプション見合いの売ったり買ったりの取引に参加して利益を上げることのほうが個人投資家にとってはメリットが大きいと思われます。

このドル円のオプション取引は3月いっぱいくらいまで長く続きそうなので、今から参加しても十分に利益を挙げられる可能性がありそうです。