先週パウエルFRB議長の議会証言の内容を受けて米株は驚くほど上昇を果たし連日史上最高値を更新するという驚異的な動きを示現しています。ただ、その材料はとにかくFRBの利下げだかというかなり危うい状況でこの中央銀行バブルの最終ステー時がいつまで続くことになるのかがもっとも気になるところですが、トランプ大統領はとにかく2020年11月の大統領選挙まで持続させることを考えているようで、本当にそんなにうまくいくのかどうかがいい意味でも悪い意味でも見どころになってきている状況です。
単なるブルトラップになる可能性は否定できない
利下げというだけで連日株価が史上最高値というのはかなり妙な印象が強まるわけですが、これが今月一杯続くのか、はたまた本当に利下げがはじまるとそこでとん挫して下げに向かうことになるのかが最大の注目点になりそうです。企業業績のようはこれから発表になるわけですが、史上最高値を支えるほどの業績相場が待っているとは到底思えないわけでどこかで上昇がとん挫する可能性は十分にありそうで、それが起こるのかどうかの見極めが非常に大切になってきていることがわかります。月末まではドル円も107.500円から109円のレンジ相場が推移しそうではあります。ただこれが107.500円割れとなると再度下方向に動き出す可能性も捨てきれておらずレンジか下抜けかを慎重に確認する週になりそうです。
米債は金利が下がり過ぎて入札もうまくいかなくなりはじめている
債券金利のほうは10年債が一旦元に戻る動きをみせてはいるものの依然として低い利率は続いており、すでに30年の新規発行債の入札ではあまりにも金利が低いことから投資妙味がないという判断も働きはじめており買いが敬遠されそれがきっかけで売られて金利が上昇するといった状況も示現してきています。したがってなにかのきっかけで金利が上昇を始めるというまったく逆さまの可能性も想定しておく必要がありそうです。実際先週もパウエル発言後108.600円レベルまで戻すという動きがでており、債券金利はどこまでも下がり続けるわけではないことを改めて意識しておく必要がありそうです。いずれにしても月末まではこれと言って大きなイベントがあるわけでもありませんから小康状態が続きやすく、動きがあるとすれば市場が想定していない別のテーマになる可能性が高そうです。
ユーロ安の再来にも注意
ユーロは対ドルでかなり売られたものの先週末一旦戻る動きになっています。ただラガルド新ECB総裁の就任で金融緩和が進むとの見方が根強く、こちらもまたユーロ安が進むことになる可能性があり、通貨安競争が非常に進みそうな状況です。
また微妙なのはユーロ円をはじめとするクロス円でこちはドル円以上に円高方向に進みやすく、これがドル円の上値を抑える形にみえます。
ただ、どの通貨ペアも明確なトレンドがあるわけではありませんから、やはりレンジでの動きが中心になり、結果的に大した動きにはならないことは覚悟したおかなくてはなりません。
7月末に大きなイベントを控え、為替相場はある種の端境期に入っておりここ2週間程度は小康状態が続くことが予想されます。ただ8月相場は一転して激変することも考えられますので、あまり気を抜かずそれまではじっくり相場の状況を観察して次の流れに備えることが重要になりそうです。