FOMCを経て本格的に8月相場がスタートしますが、ドル円はたった二日間で109.300円レベルまで上昇してからいきなり106.500円まで実に2.8円近く下落することとなり今月の相場の激しさを示唆するような動きになってきています。長らくとまっていた108.500円レベルが抵抗ラインとして機能しなくなってからは一気に107円台を下抜ける動きとなり、それなりの買いが認められていた106.700円レベルも下抜けたことで週明けはどこまで下落していくのかに注目が集まります。
まずは106.250円レベルが抜けることになるのかが注目ポイントとなりそうですが、これが抜ければ105円、そしてさらにその下の年初1月3日のフラッシュクラッシュの底値である104.600円レベルを東京タイムで試しに行くのかどうかが大きな関心事となりそうです。
急激に下落した相場はなにかをきっかけにして逆転して上昇することも多くなりますが、今月は投機筋もかなり気合の入った取り組みをしていますので、行きつくところまで売り浴びせてくる可能性も高く、あまり断定して相場には向かわないほうがよさそうな状況といえます。ただ、ドル円の場合は月間を通して下落してもピークアウトからある程度月末に向けて戻りを試すことが多くなりますので、突っ込み売りにあまり低い価格でついていくのは得策とはいえなさそうな状況です。
株価下落とともに米債利回りも下落を加速
米株は先週後半だけでかなり大きな下げを記録していますが、米債金利のほうも驚くほど下げはじめており、とくに10年債の利回りの下落は記録的なレベルになりはじめています。
また一旦持ち直した逆イールドの状況はすでに常態化しているうえに2年債から10年債まですべて2%を下回るというかなり異常な状況になってきています。
この逆イールドに関してはすでに市場も慣れてしまっているせいか誰も口にしなくなっていますが、過去の事例からすればイールドがもとに戻り始めるときが非常に相場下落にとっては危ない時期と言われているだけにこちらの動きからも目が離せなくなっている状況です。ここから何がどうなるのかを正確に予測するのはきわめて難しくなっていますが、どうも相場がいよいよ変調をきたしてきていることだけは間違いなさそうで、夏の市場参加者が少ないところでいきなりボラティリティジャンプが起き、驚くべき相場状況になりかねないところにいることだけは常に意識しておきたいところです。
為替に関するトランプツイートにも厳重注意
7月末、8月第一週の相場を見ていますと、やはりトランプ発言が市場に及ぼす影響が絶大でFOMCのパウエル発言すら霞む状況になっていますので、ここからもトランプツイートに相当注意する必要があります。ご本人はワーキングホリデーなどと言ってまともには休みをとらないと宣言していますので、ゴルフの合間などでなにかツイートをしてくればまた相場に大きな影響がでることが容易に予想される状況です。とくに為替に関しては何か発言するリスクがかなり高く、しかも参議院選挙も終わっていることから円について言及することも十分に考えられる状況です。巷の情報では日米通商協議の方は遅れがちで決定的な内容が飛び出してくるのは9月になりそうな気配ですが、それだけに為替についてなにか言及があった場合には相当な影響がでそうでドル円をロングする場合にはストップロスを置くなどの万全な準備が必要になりそうです。すでに国内のお盆休みは一週間先となっていますから、ここからの相場は気を抜かずに対応することが重要です。米系のファンドはここへきて夏休み返上でポンド売りに精を出したりドル円でも上に持ち上げたかと思えば大きく売り浴びせするといった特別な動きに出始めています。くれぐれも巻き込まれないように注意することが肝要な一週間となりそうです。