米国株式市場ではFOMCに先立つ7月23日にヒンデンブルグオーメンと呼ばれる不吉なシグナルが点灯し、その後FOMCを経てトランプ発言から相場が大きく下落したことから大きな話題になりつつあります。

Photo Airships.net https://japan.cnet.com/article/35016989/

そもともヒンデンブルグオーメンとは

もともと75年前に起きたヒンデンブルグ号という名の飛行船の不慮の爆発事故にちなんでつけられたこのヒンデンブルグオーメンはNY市場の急落を予告するシグナル

として恐れられていますが、米国では5%以上の株価下落が生じる可能性が77%、クラッシュが起きる可能性が41%、重大な下落が生じる可能性が24%とされており、非常に市場参加者が嫌がるリスクシグナルとして恐れられています。とくに足元の米国市場のように株価が最高値を更新し、闇雲に VIX指数が下落している状況では注意が必要です。

このヒンデンブルグオーメンは恐れられてはいるもののそれなりに頻繁に点灯することからオオカミ少年的なシグナルとしても有名で市場ではまったく気にしないという向きもそれなりにいるようですが、それなりの確率で相場が下落することがあるのもまた事実で、非常に気にする向きも多く存在しています。

ヒンデンブルグオーメンはテクニカルシグナル

このヒンデンブルグオーメンが点灯するのには以下のような4つの条件が揃うことが必要となります。

  1. NYSEでの高値更新銘柄と安値更新銘柄の数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.2%以上となること
  2. NYSE総合指数の値が50営業日前を上回っている
  3. 短期的な騰勢を示すマクラレン・オシレーターの値がマイナス
  4. 高値更新銘柄数が安値更新銘柄数の2倍を超えない

実はこのヒンデンブルグオーメンのシグナルは今年5月10日にも点灯してほぼ有効期間と言われる1か月の中に入る5月末に相場が大きく崩れており、大暴落ではないもののそれなりに機能するという評価も得ている状況です。

たとえば2014年から2016年までのヒンデンブルグオーメン点灯時の相場がどうだったかを検証してみますと8回のうち4回がそれなりの下落に見舞われています。

2014年9月18日 点灯から19営業日で8.3%下落
2014年12月2日 点灯から10営業日で5.0%下落
2015年6月10日 点灯から19営業日で3.8%の下落
2015年12月2日 点灯から30営業日で10.5%の下落

こうしてみると確率的に半分を超えるとなれば完璧に無視すべきものではないことが理解できます。とくに下落時にそれなりの値幅があるとなると足元の点灯局面も大いに気になるのは与え前で既に700ドル下落しているNYダウがここからどこまで下押すのかは非常に注目されることになっているのもよくわかる状況です。

8月相場はまだ下がりそうな状況に

足元の米株相場を改めて見回してみますと、パウエル議長がこの先の利下げをやるともやらないともわからない不明確な発言をしたことにより株式相場は下落で催促することが予想されますし9月1日の米国の対中追加関税の実施は米国経済にもかつてない悪影響をもたらすという予測もではじめており、そうでなくても低迷しやすい8月相場にさらに大きな異変が起きるリスクは相当高そうです。

2000年も2008年も株価は催促相場が示現したあと結果的に大暴落につながっていますから、押し目が買いと単純に思うのも相当危険ですし、当然ドル円相場は株式の下落に追随する可能性が極めて高くなります。また今年ワーキングホリデーでまとまった休みはとらないと明言しているトランプのツイート発言も相当な破壊力を持っており、米中の対立や為替について突っ込んだ発言がでればまさにそれが品電ブルグオーメンの点灯になるのかもしれないというかなり危ない状況です。ここからの8月相場は例年以上に注意して取り組む必要を感じます。