お盆休み中に、かつてはエクセレントカンパニーの代表格と言われたGEに不正会計疑惑を告発する動きがでて市場は慌ただしい動きを見せています。一旦GEの株価は大きく下落しましたが、この告発内容の現実味が乏しいのではという市場の懐疑的な見方から買い戻しも入っており、果たして問題が大きなものになるのか小火で終了するのかに大きな注目が集まりつつあります。一見為替にはなんの関係もなさそうに見えるこの問題ですが社債市場に火がつくことになれば株式、債券、為替といったすべての資本市場に莫大な影響がでることになるだけに無視できない状況です。
告発者ハリーマルコポロスは巨額ねずみ講告発で有名な人物
今回GEに不正会計の恐れがあると報告書を発表したのがハリー・マルコポロス氏でバーニーマドフの巨額ねずみ講事件を告発してきた経験のある同氏の指摘によれば
GEは保険部門の負債を過少報告するとともに、石油・ガスサービス企業ベーカー・ヒューズへの投資を正しく会計処理していないというというのが主要な問題になっています。このレポートが正しければGE保険部門は直ちに準備金を日本円にして2兆円弱積み増す必要があるとしており、しかもあらたな会計ルールが導入された場合には1050億ドル日本円にして11兆1300億円相当の非現金費用を計上する必要があるとしています。したがってこれが事実であることが正式に判明した場合にはかなり大事になる状況となってきているのです。
嫌なのはほかの企業の決算方法に飛び火する問題
1987年のブラックマンデーのときに逆張りで巨万の富を築いたとされるポールチューダージョーンズは次の相場の大暴落は社債市場に起因することになるのではないかと注意喚起を行いはじめていますが、このGEの問題がきっかけとなって米国の企業決算に大きな不正が広がるようなことになれば社債市場にも大きな影響を与えることになるのは必至とみられ、社債、レバレッジドローン、CLO,ハイイールドボンドなど隣接した市場に相場が延焼しはじめ焼け野原になるリスクがあることは相当意識しておく必要がありそうです。このハリー・マルコポロス氏はかなり様々なメディアに登場して問題を訴え始めていますが、話が大きくなればかなり大事に発展する可能性もありそうで今後の動きに注目したいところです。
債券市場は既にアルマゲドン到来を予期したかのような動き
世界の債券市場は主要国各国ともに猛烈に債券が買われる状況になっており、JGBが高利回りに見えてくるとさえ言われるほど金利が低下しはじめています。その過程で登場して大騒ぎになっているのが米英の債券市場における逆イールドであるわけですが、催促相場といえばそれまでですが、どうもそれをはるかに超えた怒涛の動きが示現しはじめており、一部の市場関係者からは次なるアルマゲドンに注目する市場参加者が備え始めているのではないかとの指摘も出始めています。こればかりは正しいのか見立ての誤りなのか現状では判断のつかない状況ですが、どうも
ここから秋の相場に関しても想定外の事態が示現するリスクを考えておく必要がありそうです。GEの不正会計の件は社債市場から債券市場にかなりネガティブな影響を与えかねないだけに火種は小さくみえても大惨事になりかねない点は相当意識しておく必要がありそうです。