直近の株式、為替市場は中国起因の新型肺炎の発症者数が拡大を続けているものの、一旦落ち着いた動きになってきています。
ただ、既に2003年のときのSARSの罹患者数を超えていますし、死亡者数がこれを上回る可能性はかなり高そうで、このまま鎮静化することを期待するのは難しそうな状況です。
特に今回の肺炎発祥の地とされる武漢では1100万人の人口のうち500万人が既にほかのエリアに出てしまっているということですから感染者がここからさらに増えることは間違いなさそうです。
海外でもすでに人から人への感染が確認されているため想像を絶する感染者数を記録してしまうリスクも高まってきています。
中国当局が随時アップデートしている感染地図ではほぼ全土に感染者が広がりを見せており、特に色が濃く塗られたエリアは日に日に増加中の状況です。
今年の4月ないし、5月までピークが続くとなった場合にはトータルの感染者数、死亡者数は想定をはるかに超えるほど激増しそうで、金融市場の下落もまだこれからになる可能性が高まっています。
2月3日上海市場の再掲に注目
春節・旧正月で上海の相場が休場となっていることから金融市場は一旦下げてもパニック売りのような状況にはなっていません。
ただ上海市場は本来1月31日から再開の予定を3日まで伸ばしており、これが本当に3日開場となるのかどうかが注目されます。
さらに10日ぶりぐらいで開場になりますので株価がどの位落ち込むことになるのかに市場の注目が集まりつつあります。
29日に先行して開場となった香港の株式市場は軒並み3%程度の下落となっていますから上海市場はさらに大きな下落になる可能性は十分に考えられる状況です。
上海市場は正月休み前に既に大聴く下げ始めていますので、週明けどこまで下押しするのかに市場関係者は大きな関心を寄せています。
注目ポイントは株、コモディティ、原油、資源国通貨
上海のマーケットが再開になりますと、具体的に注目されるのは上海株とともにコモディティの価格、原油先物価格、資源国通貨の動向などですべて中国経済の影響を受けるアイテムばかりだけにこれらが一斉に価格を下げることになると他国の株式市場にも相当な影響がでることを覚悟しておかなくてはなりません。
米国の株式市場はFRBが延々と隠れQEを実施していることから本来はさらに上昇したいところですが、さすがにこの中国の新型肺炎の事案はその上昇を押しとどめる力になっているようで、現実に米国の経済にも影響がではじめた場合には反転して大きな下落となることを想定しておく必要があります。
市場のアナリストによれば2003年のSARS発生の時の株の下押し程度では済まないほど大きな影響がでるとの見通しもではじめていますので、ここからの相場の下落を押し目と考えて買い向かうのはかなり注意が必要になりそうです。
特に中国自体が生産拠点としてもさることながら16億人を配する一大消費国になっているわけですから、パンデミックが広域発生となった場合には驚くほど消費を減退させることになりそうで、その影響が資本市場にどれだけ出てくるのかは今のところ誰にも正確なところが判らないのが現状です。
新年早々から実に不安な材料となってしまっているわけですが、とにかく楽観視はせずに冷静にマーケットの動向を確認していくことが何よりも重要になりそうです。
3日は月曜日となるわけですが、東京市場はそれなりの窓開けからスタートすることも覚悟しておかなくてはなりません。