4月第四週の相場はとにかくどの通貨ペアも値幅の狭いレンジ相場を延々と継続することになりました。

3月の猛烈なボラティリティ相場が一息ついたことから、取引にはかなりの安心感がありますが、その代わりに動かないため買っても売ってもほとんど儲からないという2月以前の相場に逆戻りしてしまった感があります。

ドル円4時間足推移

上のチャートでもわかりますが、ドル円は107円台に留まったまま極めて狭い上下動を繰り返し、上にも下にも抜けない状況がすでに1週間以上継続中です。

株式市場は異常とも思えるほど楽観的で、すでにポストコロナを見据えたような動きをしはじめています。

今回の暴落とかなり動きが似ていると言われている2008年のときのリーマンショックですら相場が元に戻るのには2年かかっていますし、ドル円は米国FRBが緩和を始めたとたんに円高に振れています。

さらに経済状況としてはもっとも酷似していると言われ始めている1929年の世界恐慌では、株価がもとの軌道に戻るのに3年を要しています。

金融相場が一回だけの暴落で元に戻ると期待するのは無理のあるもので、株や債券がここからさらに暴落のリスクを背負っているとなれば、為替が同様に大きな相場変動リスクを持っているのは当たり前の状況ということがでてきます。

それだけにここからの相場の動きは決して楽観視せず、しかも断定することは避けてどのような動きがでてきてもトレードしていくことのできる柔軟性が必要になりそうです。

ゴールデンウイーク入りで相場の変化に注意

巷では外出自粛で外にも出られないことから、今年はほとんど旅行にも出られない状態です。

近場にも遊びに行かれない厳しいGWが到来しますが、相場の世界ではこの連休投機筋による余分な仕掛け売買も出やすいことから、どこにも出かけられなくても注意する必要がありそうです。

とくに危惧されるのは新興国の高金利通貨の動きで、トルコリラ円の変調に注意していきたい時間帯となりそうです。

トルコリラ円は22日トルコ中銀の政策決定会合があり、市場の予想通り再度の政策金利引き下げが行われました。

結果8.75%で1.00%引き下げとなり市場の予想を上回る利下げ率となりましたが、トルコ中銀が対ドルで買い支えを行っている模様で大きな崩れはありません。

ただし国内店頭、取引所FX業者が提示するトルコリラ円のスワップ金利はすでにゼロのところもではじめており物価上昇率が12%弱であることを考えると、実質マイナス金利であることからトルコリラ円のロングスワップもまさかのマイナスになるリスクは高そうで、これまでロングを保持してきた個人投資家が一斉に投げになると崩れる危険性がではじめています。

またメキシコは既に格下げになっていますが、トルコや南アフリカなどが格下げとなった場合、投機筋が仕掛け的に売り浴びせを行うリスクも高そうで、これがこのGWの連休中を狙って行われることになればドル円も巻き込まれて円高方向にかなり動くリスクが高まりそうです。

週明けは29日がお休み、開けて5月の4日から6日は3連休となりますので、このあたりでトルコリラ円のロングを持っている個人投資家は注意が必要になりそうです。

もともと架空通貨のトルコリラ円は、ほとんどの本邦個人投資家がロングをもっているだけに流動性は極めて低く、パニック売りがでるとそれだけで大きな下落が予想されます。

トルコリラ円4時間足

とくにトルコの場合、新型コロナの感染者数が爆発的に伸びておりすでにイランを上回る状況ですから経済でもコロナでも全くいいところはありませんし、投機筋は日本の個人投資家が大量にトルコリラ円を保有し続けていることもしっかり認識していますので注意が必要になりそうです。

ユーロドルもドル高方向に地合の悪い展開

ユーロドル相場は4月15日に1.1の手前まで上昇したものの、その後反転下落をしてから24日には1.0727レベルまで急激に下落を示現することとない、テクニカル的にはさらに下方向を目指しそうな気配が強まっています。

また、月末の特殊な需給からドル買いが短時間で急激に進むケースにも注意が必要になってきそうです。

対ユーロではやはりドルが強含みはじめていますから、5月相場でそれがさらに進むことになるのかが注目されます。

ユーロドル4時間足推移

4月第四週相場はとにかく動きの少ない一週間でしたがこれが5月に入り本邦ではGWを控えて、これまでと異なる動きになるのかどうかに引き続き注目しながらトレードを行いたい時間帯です。