韓国をめぐる北朝鮮の軍事的な行為に注意
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北朝鮮は6月16日日本時間の午後2時49分頃、開城にある南北共同連絡事務所を爆破しました。

これは韓国の脱北者団体がまいたビラに強く反発したもので、韓国政府が容認したことにも強く批難しています。

金正恩の実の妹で、対韓工作を担う金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長が13日に同事務所の爆破を事前予告していたものですが、本当に爆破してしまったことから韓国では大きな衝撃が走っているようです。

これを受けて東京タイムでは株の先物とドル円が売られる形になり、相変わらず極東地域の地政学リスクに関しては米国株式市場は全く反応していない状況で、新型コロナが中国で感染拡大したときとほぼ同様の無関心状態に陥っています。

しかし、この朝鮮半島における北と南の衝突が現実のものとなり常態化から本格的な戦争へと発展した場合には市場への影響は避けられず、今後の動向に十分な注意が必要になってきています。

韓国をめぐる北朝鮮の軍事的な行為に注意
Photo AP https://www.asahi.com/articles/photo/AS20200617001034.html

4月に金正恩が突然公の席から雲隠れし、死亡説まで流れたときに後継者として浮上したのが金与正でしたが、このタイミングでいよいよ表舞台に公然と姿を現しはじめたことで、北朝鮮内でも権力構造になんらかの変化が表れ始めている点にも注目が集まり始めています。

問題はここから本格的な戦争に発展するかどうか

北朝鮮人民軍は陸軍102万人、海軍6万人、空軍11万人も存在しており予備役が470万人、労農赤衛隊350万人、保安部隊が19万人とされており事実上の男性皆兵状態となっていて、装備的には大したことがなくても63万人の韓国軍と比べると、地上戦では圧倒的な人数が韓国内に押し寄せてくることが考えられ、また2500両も戦車を保有していることから戦争突入の初期段階ではかなり韓国に大きなダメージを与えることが予想されます。

また装備の決め手はやはりミサイルで、万が一韓国に核攻撃が実施された場合には単なる地政学リスクを超えた大騒動になることが予想されるところです。

北朝鮮に関与する米国も中国もロシアも新型コロナによる経済破綻の再生のために莫大な費用を必要としていますから、北朝鮮などと戦争をしている場合ではまったくありませんが、果たしてこうした超大国が北朝鮮の暴発を制御できるのかどうかにも注目が集まります。

北も新型コロナでかなり疲弊している可能性

さすがに今回の韓国側からの脱北者団体のビラ撒きが本格的な南北の戦争に発展するとは考えにくいものがありますが、金与正が本格的な実験を握り始めた場合これまでと異なる挙動を見せることもありそうでかなり注意が必要です。

北朝鮮の朝鮮中央通信は17日、開城工業団地と金剛山観光地区に軍部隊を展開するとの朝鮮人民軍総参謀部の報道官発表しており、軍部の暴発を抑えきれなくなっている可能性もありそうで今後の動きは非常に注目されるところです。

そもそも北は新型コロナではいち早く鎖国することでほとんど影響を受けていないとしてきましたが、実際にはそれ相応の感染や死亡者が出ている可能性もあり、軍部が粛正を兼ねて独自の行動に出始めている危険性も十分考えられるだけに、実際の状況がどうなっているのかの掌握が急がれる状況です。

株や為替に与える影響はかなり大きい

まだ南北の戦争が始まっているわけではありませんが、核攻撃を伴うような大規模な激しい地上戦が繰り広げられるような最悪の事態になり、場合には地政学リスクを超えた世界的なリスクに発展する危険性があります。

まず、韓国ウォンは大幅に売られることになりますからそれだけでも円高になる可能紙がありますし、海を越えているといえども隣接国の日本は株が売られる危険性が極めて高くなります。

またあまり考えたたくないことですが、万が一日本に核ミサイルが着弾するような事態になれば、これはもう間違いなく円売りが加速することになりますので戦況次第で為替の動きは大きく変わることが予想されます。

さすがに今回の件だけで本格的な戦争になるとは考えたくないですが、何をするか判らないのが北朝鮮の現状で、用心するに越したことはない時間帯に入ってきています。

米国は北朝鮮に対して特別なメッセージを発信していませんが、この問題にどのように関与してくるのか、或いは完全に傍観するのかといった姿勢にも大きな関心が集まるところです。