お盆ウイーク明けの8月17日週、前半はドル安傾向の相場が全般に続きました。

20日の午前3時に開示された7月分の米国FOMCの議事要旨で、イールドカーブコントロールなどが積極的に議論されなかった、つまり追加の緩和措置が進まないことを嫌気していきなりドル買いの動きとなり、ドル円は106円台に値を戻す動きとなりました。

ドルインデックスを見ますと、3月の上昇から一貫して下落をしてきた相場でしたが多少戻りを試しそうな動きになってきており、特にユーロドルでは大来な上昇が一段落する可能性がでてきています。

ただし、全体としては引き続きドル安傾向は残っており、これが解消するのかどこかでまたドル安に復帰するのかを見極めることが重要になりそうな週です。

Chart ドルインデックス Trading view

ドル円は一旦上昇しそうだが上値も相当重い状況

ドル円4時間足推移

ドル円は本邦のお盆休みである14日に大きく跳ね上がる展開となり107.050円まで上昇する場面がありました。

お盆休みに本邦輸出勢が並べた107円前半から108円台に向けてのリーブオーダーを全く崩すことができず、非常に短い滞空時間で107円から押し戻され、週明けには再度ドル安傾向から105円台を割りかねないところまで下押しする展開となりました。

実に1.95円程度の下落となり、19日の夕刻からNYタイムに向けてはいきなり反転上昇となりショートカバーをこなしてFOMC議事要旨の結果を受けてさらに上昇、106円台を回復しちょうどこの大きな下落の半値戻しを実現しました。

しかし、106円台は何度か行き来する形となったものの定着できないまま一旦下落し、週後半は105円台中ごろを上下しました。

21日のNYタイム好調な経済指標から一旦106円台まで乗せる動きになったものの、またしてもそれを維持することができず105.800円レベルで週の取引を終えています。

チャートの形状から見ますと、週明けは一旦上昇しそうな感じではありますが、依然として106円中ごろから上にかけては消化しなかった本邦輸出勢の売りが降りてくる可能性が高く、上値は上昇してもそれほど高いところまで到達しない可能性があります。

ただ、下落に転じてもここから100円方向にどんどん下落していくようにも見えず、とりあえずは105円を維持できるのかどうかひとつのポイントになりどうです。

ユーロドルは再上昇できるかどうかに注目

ユーロドル4時間足

一方、ユーロドルは8月18日に大きく上昇し1.2をつける寸前まで上伸しましたが一回では到達できず、FOMC議事録が開示され米追加緩和観測の後退、1.2000トライ失敗に伴う見切り売り、さらにユーロ圏8月製造業PMI速報値が市場期待を下回ったことなどから週末にかけては、ここ2週間で最も安い1.17530辺りまでかなり深い下押しを示現することとなりました。

しかし、週末ということもあり一旦は1.17950レベルに戻して週の取引を終了しています。

したがって週明けからの動きがきになりますが、こちらはチャート形状からするとさらに下を試しそうで、その動きが正しいようならとにかく戻り売りで下値を試す動きについていくのが得策に見えます。

とは言うものの、中長期的には再度上値を試す場面も再来するものと思われ、ドルインデックスを並行して見ながら買い場探しをしていくことも必要になりそうです。

ドル円、ユーロドルともに相場の方向感は一旦はっきりしない時間帯に入ってきています。

9月になりますと、大統領選のシーズナルサイクルとして米株が下落する時間帯に突入する可能性が高く、株価の推移に影響を植えながら為替も推移することを考える必要がありそうで、上下どちらに動くのかをしっかり見極めたところで、エントリーしていくことが必要になりそうです。

パウエル議長のジャクソンホールにも講演にも注目

Photo FRB https://jp.wsj.com/articles/SB10470229938809373950204584428311865497766

27日の日本時間午後10時10分からジャクソンホールのカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで、パウエル議長の講演が予定されています。

大統領選挙の前であることから特定候補に肩入れするような発言はしないものと思われますが、金融政策の枠組み見直しについて講演するとされていますので、既存の無制限緩和をさらに深堀するような発言がでれば市場も好感することになるでしょうが、何等かの形で緩和を巻き戻すようなニュアンスの消極的な発言が飛び出せば期待はずれから米株も為替も影響がでる可能性が高く、この時間帯にポジションをもつのは十分に注意が必要です。

安倍首相のまさかの辞任にも注意が必要

Photo 朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/photo/AS20200817001524.html

巷では安倍首相の8月24日辞任や9月8日辞任説がまことしやかに流れ始めています。

本当に辞任ということになれば、長期政権が終了しアベノミクスも完全終了となることから、海外勢が嫌気してドル円を売ってくる可能性はかなり高そうです。

ただし、こうした噂は検証のしようがなく嘘か本当かまったくわかりませんので、とにかく該当日にドル円をロングする場合には損切を入れておくといった対策が必要になりそうです。