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ウォーレンバフェット率いるバークシャーハザウエイは新型コロナ禍の今年は、様々なトレード連略の変更に打って出て市場の注目を浴びています。

まず、コロナ禍でそれまで購入した航空株をすべて損切の形で処分し、今年の第二四半期にはリーマンショック後にただ同然で取得したはずのゴールドマンサックスなどの銀行株をバンカメ以外はすべて売却し157億ドル相当の現金を得て、さらにキャッシュポジションが増加する状況になっています。

その一方でバフェットは、過去30年以上金利も配当もつかない金投資は愚の骨頂であると散々金への投資を馬鹿にしてきたのに、いきなり宗旨替えのように突然カナダの金採掘企業バリック・ゴールドを新たに2,100万株近く取得し、約5億6,300万ドルの投資したことがSECの大量保有報告書から明らかになっています。

バフェットの目には米国をはじめとする金融市場に変化が訪れて見えているのかが大きく気になるところです。

世界的な株式市場で100を超え始めたバフェット指標

ウォーレンバフェットと言えばバフェット指数を参考にして株式取引をしているというのはあまりにも有名な話ですが、このバフェット指数は基本国単位で算出するもので、株式市場の時価総額をその国の名目GDPで割り100をかけて指数にしたもので、100%をこえれば完全に過熱感があると言われています。

とくにITバブルのときは150を超えて、米株市場の史上最高値を塗り替える高騰は完全にそのレべルに近い状況で、コロナ禍であるにも関わらずFRBの強烈な無制限緩和政策とコロナによる米国民への給付金の支給が、米株のコロナバブルと形成させてしまったことは間違いない状況です。

企業の時価総額総計は株価のおかげでどんどん大きくなる一方で、GDPは強烈に縮減し年間ベースでも10%近い縮減に追われる国が激増しようとしていて、バフェット指数が大きく上昇するのは無理もないもので、株式市場にだけバイアスのかかった長期投資をこのタイミングで始めるのは非常に大きなリスクが伴うことになるわけです。

このバフェット指数は世界の株式市場総計で見てもすでに100%を達成しており、非常に危険なところに差し掛かっていることがわかります。

Data Business Insider

長年株式の長期投資で爆発的な利益を獲得してきたバフェットが株のポジションを大きく減らし、これまで絶対投資しなかった金のエリアで産金株を買い、さらに現金ポジションを大きくしているという現状は一体なにを示しているのか、市場ではこの動きに大きな注目が集まりつつあります。

もはや株ではないという示唆なのではないかといった見方から、産金株をバフェット同様買い求める向きも多くなっていますし、ダイレクトにドルベースの金を購入する投資家も依然増加中です。

インフレへの懸念もある可能性大

3月の新型コロナ起因の相場の大暴落をきっかけにして、FRBは過去にはないほどのスピードで無制限の金融緩和と債券、証券の買い付けを行いはじめており、市場でもドルキャッシュ需要に対応するためかつてないほどの資金供給をおこなって今日に至っています。

今のところ米株市場がもっともパフォーマンスの高い成績を収めている関係上ドルを取得して米株、米債市場に投資をする投資家は増加傾向にあることもあって、ドルはまだ大きな下げにみまわれインフレも到来していません。

これだけドルが市中にバラまかれてしまえば、当然この先景気は悪くてもインフレが起きるスタグフレーションのような状況が示現してもまったくおかしくない状況で、ドル安が大きく進むリスクがあるのもまた事実です。

バフェットがあえてゴールドに着目し始めているのは、こうした部分への懸念が顕在化しているためという見方も一部では強まりつつあります。

いずれにしても暴落が起きるといち早く現金資金を投入し、底値で株を買っては高値で売りさばくということを基本にしてきたバフェットが株の保有比率を下げ、しかも新たな投資には限定的で金に近いところの株を買い始めているというのは、どう見てもバフェットの目に相場が大きく変化して見えていることを示唆している可能性は高そうです。

ここからどのように動いて行くのかさらに相場に暴落が到来するのか、引き続き注意して見ていくべき時間帯となっているようです。