Photo 首相官邸

既に皆さまご存知のように安倍首相が8月28日健康問題を理由にして、総理大臣の職を辞任することとなりました。

相場の方はと言いますと、案の定アルゴリズムが反応し日経平均もドル円も大きく売り浴びせを受ける形となりましたが、日経平均の方は米株が崩れなかったことなどもあってか一旦持ち直す動きを見ていますが、ドル円は首相の会見を経てさらに下落し105円台後半まで推移する展開となっています。

ここから先の後任の問題はまさに政局で、金融市場でとやかく言う話しではありません。

次の政権はかなりの短期政権になる可能性があり、金融政策も大きく変更できるはずもなく、もっぱらアベノアトシマツ内閣になることが予想される次第です。

アベノミクス完全終了でも日銀の政策変更継続なら大きなリスクにはならない

気になるのは次期首相の問題もさることながら相場がどう反応するかですが、どうやら株式市場もドル円も一時的に大きな売りがでたもののそれが延々と続くような雰囲気は見られない状況です。

これは日銀が金融緩和の政策を特段やめたわけではなく、アベノミクスなどという名前がついていたものの実際には日銀が金融緩和政策を延々と続けてきたことが株高につながっていて、市場がかなり正確に掌握していることに起因しているものと思われます。

ここからは新しい内閣が樹立されても日銀が緩和方針を変えない限り、意外に下落しない底堅い相場が続くことが予想されるところです。

ただし、アベノミクスというご本人の名前をつけた経済政策は完全に終焉したと海外勢にはとらえられ、下がらないとしても上がらない相場になる可能性はありそうで次なる政権は9月ということで、当面膠着し停滞した相場が続くことは想定しておくべき状況です。

GDPベースで言いますとすでに今年4~6月期でマイナス27.8%、年率換算で言えば第二次安倍政権スタート時の実質GDPまで完全に巻き戻していて、株価以外にほとんど評価されるものがないのも事実であり、海外勢が積極的に日本株を評価しなくなるリスクが高まることは排除できない状況です。

株価に大きなリスクはなくても為替は必ずしもそうではない可能性

株価の方はダイレクトに日銀がETF買いで支えていますから、ポスト安倍内閣でも大きな違いはない可能性があります。

しかし、為替については米国FRBがゼロ金利制s買うをかなり長期にわたり実施し、一時的なインフレでもそれを変更しない旨をパウエル議長が27日のオンライン講演で明確に表明していますので、米債が売られることで金利の上昇にドル円の引きずられる動きになっていますが、やはりドル安に展開する可能性を考える必要がでてきているようです。

ここからは米国大統領選挙が為替に大きな影響を与える可能性は極めて高そうで、ドル円はもっぱら海外要因に振らされる展開になりそうです。

大統領選挙年の9月から10月初旬にかけてば米株は結構下落するシーズナルサイクルに突入し、これにドル円が連動した場合想定を上回るような下押しに見舞われることも考えておく必要がありそうです。

海外勢は長期政権の終焉を酷く嫌がりますし、アベノミクスという首相の名称を文字った経済政策で、それが終焉することによりネガティブな発想がでるのは当たり前で、安倍辞任が相場にプラスになることはまったくないと思われます。

また、時期政権は安倍政権のアベノアトシマツ内閣的な意味買いが強まり、結局短命内閣になることが容易に予想されます。

当然こうした内閣を市場が積極評価するとは到底思えず、政治をベースにした場合には決して好調な相場が展開することは考えられないのではないでしょうか。

いよいよ週明けから9月相場ですが、センチメントが大幅に変化するかどうかを見極めることが重要になりそうです。