ここへきて市場では、テスラ株のチャートの動きが2017年末に暴騰したビットコインのチャートに非常に酷似しているという話しが話題になっています。

これはこのコラムでも何度かご紹介しているアナログチャート分析手法と呼ばれるもので、エリオット波動分析による転換点売買でブラックマンデーで大儲けをしたポールチューダージョーンズが開設したチューダーファンドに副社長として在籍していたピーターボリッシュなる人物が開発したもので、チャートのスケールよりも形状そのものの類似性から先行きを想定するといった分析手法になります。

実はこうしたアナログチャート分析はAIのコンピュータがもっとも得意としており、相場を動かすファクターにプライオリティをつけて分析するのではなく、あくまでチャート形状を重ねて先行きを占うという方法になっているのです。

これを比較しますと下のチャートのようにかなり似ていることがわかります。

テスラ株のチャートが2017年末のBTCに酷似の状況から見えてくるもの

この分析が正しいとなればここからテスラ株は相当な下落を示現する可能性があり、しかもその下落に至るまでの時間はそんなに先の話ではないことが見えてくる状況です。

現状ではテスラ株の大崩れというのは、非常にアップルとテスラに取引が集中しているNASDAQ100の株価指数の大崩れにつながるだけに、これが本当に起きるのかどうかは大きな関心が集まりつつあります。

個人投資家が大挙して買い向かうことが似たようなチャートを形成か

しかしテスラは、民間のEVメーカー株でビットコインはご存じのように仮想通貨ですから、なぜ酷似したチャート形状を示現するのかには大きな疑問が生じることになります。

しかしどちらも猛烈な上昇局面でほとんど個人投資家がなだれ込むように買い向かい、ある種のパニック買いのような状況を引き起こして相場が指数関数的な上昇を示したという点ではかなり似ているものを感じさせられます。

このように個人投資家が殺到してとにかく何のロジックもなく買い向かう状況が起きますと、上のチャートのような特殊な暴騰相場を演じることになるわけで、何かがきっかけで売りに転じ始めますと今度は市場参加者が一斉に売り場に殺到することから、驚くほど値が下がって結果的に行って来いのようにもとに戻る相場を示現してしまうことは、ビットコインの2017年末から2018年初頭の動きでよく理解することができます。

そもそも個人投資家が殺到して上昇する相場はかなり危険

最近、新債券の帝王として有名なダブルラインキャピタルの創業者でチーフインベストメントオフィサーであるジェフリーガンドラックが、個人投資家の米株市場への殺到に関してきわめて面白い発言をしています。

それは現状のように個人投資家が市場に押し寄せてくるというのは、過去長いこと相場を見てきたものにとっては非常に恐ろしいものがあり、とにかくバブル相場の最終局面では必ず個人投資家が買い上げて、そのあと激しい下落に陥る状況を何度も見てきているだけに非常に怖さを感じるという内容のものでした。

実際2000年のITバブルの最後でもNASDAQ100は3000をつけたので相当いいレベルまで買いあがったように見えましたが、その後個人投資家が一気に相場に参入し5000まで上昇させることになったのは記憶に新しいところです。

ここでご紹介している2017年のビットコインもそれを彷彿とさせる動きになっている点を考慮しますとここから米株、とくにNASDAQは大崩れする危険性が高そうで、どのような相場の動きになるのかを確認する必要がありそうです。

米株相場は一旦下落が収まったかのように見えていますが、さらに相場が下落に向けて走るリスクはまだまだ解消されていないのが現実で、米国の大統領戦前には下落はないだろうという大方の市場の読みとは別に想定外の動きになることも意識しておく必要がありそうです。