10月第二週ドル円は市場参加やのショートが溜まり過ぎたことから、多くのトレーダーが下目線であったにもかかわらず105.800円まで上昇することとなり、さらにそこからショートカバーを誘発して106.110円まで上伸することとなりました。

106円台をつけたということから上方向を意識する市場参加者も多かったものの、そこまで上値をねらわなくてはならない材料もなく結局35時間も106円近辺に滞留しとうとう9日の金曜日には週末ということもありロングが荷もたれを起こし、NYタイムでは105.600円を割れるところまで下押しする展開となって週の取引を終えています。

こうしたショートカバーによるじり高と高値での膠着相場というのはドル円には結構よく起きるものですが、結局ショートの損切で上昇してきた相場だけにいざ高値になるとそれを上抜ける材料がなく、結局一定時間膠着して下落をはじめるという典型的な動きを示現することになりました。

ドル円は大きく戻せなければ下追いの相場か

ドル円は相場がリスクオンになればドル安円安、リスクオフいなればドル高円高が進むため結果的には大きな動きを示現することができず、米債金利の上昇でかろうじてドルが円に勝るような動きをしているのが、ここ数週間のドル円の動きに反映されている状況です。

週明けの10月第三週相場では再度上値を試すのか、さらに下値を試しに行くのかどうかが大きな関心事になりそうですが、下落しても104円台前半がせいぜいの状況で、引き続き米国大統領瀬の不透明感から動きづらい時間帯を過ごすことになりそうな状況です。

残り3週間となった米国大統領選挙ですが、ここからはまだまだ想定外のサプライズがありそうで、その都度アルゴリズムが過剰に反応して上下動をすることも考えられ、とくに上昇よりも大幅下落のほうに注意したいところです。

ドル円1時間足推移

ユーロドルはテクニカル的には堅調なるもファンダメンタルズでは下落懸念

ユーロドル4時間足推移

ユーロドルは9月26日に1.16代初頭まで値を下げて完全に上昇軌道が終了したかのような動きを見せましたが、直近では1.18台を回復しておりさらに上値を試しそうな展開になってきています。

ただし、ファンダメンタルズ的には新型コロナがフランスをはじめ各国で再発しはじめており、景気に対する暗い影を差しているのが実情で、英国のEU離脱もすんなりいかない状態がどうしてもユーロの上値を押さえつける状況になりつつあります。

その英国のEU離脱問題はボリスジョンソン首相自ら10月15日を交渉の最終期限としており、このまま合意なき離脱が実現してしまいますと、ポンドは相当なレベルまで売られるのは確実で、それに引っ張られるようにユーロドルも下落する可能性が高いことから週明け相場は注意が必要です。

米国大統領選挙の不透明感はじんわり相場に影響

米国大統領選挙まで3週間と迫りましたが、米系メディアの支持率を含めた予測はバイデン圧勝となっているものの2016年も同様の状況からトランプが勝利しているだけにそのまま鵜呑みにはできないのが現実で、この選挙の行方がはっきりしないことが金融市場にも不透明感のある相場展開をもたらしているように思われます。

すでに15日に予定されていたテレビ討論会は、バーチャルな開催実施をトランプサイドが拒む形で中止となったようで、週明けの注目点は英国がはやして無事に調整入りのBREXITを実現できるのか、着の身着のままのかなり危ういBREXITになるかに絞られそうな状況になっています。

この件に関してはなぜか市場は楽観的で決定的な状況を織り込んでいないようですが、それに反して合意なきBREXITが決定した場合にはあらためてアルゴリズムが売りに走ることになることから、ポンドの大幅下落はユーロドルのみならずドル円にも波及しそうで、注意が必要な時間が差し迫りつつあります。

ポンドの取引きをしないユーザーでも15日前後は英国の動向を注視することが求められそうです。