10月第三週、為替相場はポンドが英国のEU離脱問題に絡むUK、EU双方の高官による離脱交渉の見通し発言が出るたびに相場を上下させる展開となりましたが、それ以外の主要通貨は動きが非常に鈍く、すでに11月3日の米国大統領選挙に向けて様子見ムードがかなり強くなりつつあります。

大口の投資家はほとんど市場にでてきませんから、動くのはもっぱら短期の投機筋や個人投資家ばかりで、こうした輩は買えばどこかで売り、売ればどこかで買い戻すのが基本となっているため、どうしても日柄レンジ相場になりがちな状況です。

ドル円は円高方向への動きに注意

ドル円1時間足推移

ドル円はリスクオンになるとドルが売られ円も売られることから、ドル円としては大きな動きを示現することがなく、105.250円は105円ジャストにあると言われているオプションも影響して、なかなか下抜けができない状態が続いています。

ただ、世界的に見てリスク資産を買い上げていくような地合いでは決してないことからクロス円も円高に振れやすく、ここから先はゆっくり円高に進みながら11月3日の大統領選挙を待つような相場になる可能性が考えられます。

円高が進むといっても100円近くにまで下落するほど大きな材料があるわけではなく、せいぜい104円程度が下値になるものと思われます。

また、上値方向に関しても106円を超えて上伸するような材料があるわけでもなく、大きく戻した場合にはいい戻り売りの場になる可能性が高そうです。

テクニカル的にみますと、105円台半ばには一目均衡表転換線や基準線など強力なレジスタンスが密集していることもあり相当上値は重くなりだしており、一旦下値を試すほうが可能性が高くなっているとも見える状況です。

いずれにしても週を通して大きな動きがでるとは考えにくく、静観して状況を窺うのも一つの方法になってきているようです。

ユーロドルも下落リスクのほうが高い状況

ユーロドル1時間足推移

ユーロドルは10月9日に1.1832まで戻していますが、その後は反落し週後半15日には1.16885まで下落する展開となっています。

欧州圏全般に新型コロナの再感染が猛烈に拡大しておりフランス、ドイツ、英国ともに警戒態勢をとっていることが大きな足かせになっています。

また、いよいよ土壇場になってきている英国のEU理ラス交渉もFTAの締結はほとんど無理な状況になっており、交渉自体は継続して行われていますが、10月末に良好な結果がでるとは思えない状況です。

こうなると週明けの相場もユーロドルが大きく上昇する可能性はかなり低そうで、こちらも値を戻せばいい戻り売りの場所を提供してくれそうな気配です。

豪ドル円は思わぬ下落モード展開中

豪ドル円1時間足推移

豪ドルはオーストラリアが中国とかなり広範な貿易の領域でもめ始めていることを嫌気して下落がはじまっています。

2年前にFTAをいち早く締結して良好な関係が築けてきたはずでしたが、中国のメディア、政治、教育、通信といった分野への干渉が非常に強まっていることにオーストラリア政権が非常に危惧する状況になっており、ファーウェイの5G導入を米国と同様に禁止したあたりから、二国間の関係はかなり悪化しはじめています。

6月にはワインの輸入が港で足止めを食っており、その後はオーストラリアからの石炭輸入や綿花の輸入を中国政府が国内企業に禁止するような命令を出すなど、想像以上にぎくしゃくした状況に陥っています。

本来シーズナルサイクルから考えますと、豪ドルは年末にむけて上昇するタイミングが近づいているのですが、今年に関しては夏もシーズナルサイクルを破る動きをしているだけに、年末に本当に上昇するのかどうかははっきりしない状況です。

全般的に10月第四週は米国大統領選を控えてかなり様子見ムードが強まることが予想されます。

上下の値幅のないときに迂闊にポジションをもってしまいますと、結果的に動きが取れなくなり結局損切を余儀なくされることも多くなりますので、買うにしても売るにしてもレンジ相場の状況下ではしっかり引き付けて売買することが重要になりそうです。

無理せず様子見もFXの取引では重要です。

焦らずに余裕をもったトレードを心がける週となるのではないでしょうか。