11月7日現在のところ米国の大統領選挙はバイデン氏が優勢で、このままで行けば週明けにもバイデン氏の当選が確実の情勢になっています。

ただ、トランプ陣営は訴訟に持ち込もうとしていますので、正式な勝利宣言がでるまでにはまだ時間がかかることも十分に予想されます。

金融市場はバイデン政権誕生を既に織り込みはじめており、どんな政権になるのかに大きな注目が集まりはじめています。

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実は初の女性大統領政権誕生という見方も

バイデン勝利といっても78歳のこの人物が、果たしてここから4年間まともにワークするのかどうかという点については多くの金融関係者が疑問をもっているのは確かなようで、事実上国民の明確な信認を得ないままに結局バイデンに代わってカマラハリスが期間中に大統領に就任するのではないかといった見方が強いようです。

最初からバイデンは傀儡であると厳しく指摘する向きもかなりいるのが事実であり、これまでも細かい政権政策がはっきりしてこなかっただけにどんな政権になるのかがもう一つ詳細不明のままの状況です。

また、今回大統領選から姿を消したもののバイデンの背後にいる社会主義的思考の強いエリザベスウォーレンやバーニーサンダースなどがどのぐらいこの政権にかかわってくることになるのか次第では、株式市場に与える影響は全く異なるものになってくることから、大統領誕生当初はアノマリー通り株価は上昇してもそれほど長く続かずに反転下落に転じることになるのではないかといった予想もではじめています。

バイデン自身は中道派を自任していますが、ウォーレンを財務長官に据えるような人事になった場合には株式市場には相当なネガティブインパクトを与えることも予想され、政権発足後にはさらに大きく崩れだすとともに、海外の投機筋が米国株式市場から逃げだすことになりかねないといとの危惧の念も高まり始めています。

とくにバイデンの打ち出すであろう法人税増税は株式市場に相当な影響を与えることは間違いなく、それ次第で相場の方向が決まるといっても過言ではありません。

大統領選の影にかくれた上下両院の状況

大統領選の影にかくれてあまり話題にならない米国上下両院の議席獲得数ですが、上位は共和党が過半数を維持できそうな見込みとなっており、逆に下院でも共和党がかなり議席を回復しているだけにこれが正式に確定した場合、民主党政権は誕生するものの議会は共和党に抑え込まれてあまり大きな政策転換ができなくなるのではないかといった見方も強まりはじめています。

株式市場はこうしたねじれ状態をむしろ歓迎して上昇しているきらいもありなかなか微妙ですが、民主党左派がバイデン政権に大きく影響を与えることを議会が阻止する仕組みとなることを相場が期待していることが窺えます。

当面政策に大きな変更はないとみるいいところどりの相場

相場では大統領選挙に一定の決着がみえてきたことで株式市場は大きく上昇、債券は買い戻されて金利低下、その一方でドルは下落し金とビットコインが上昇というように各資本市場間の相関、逆相関性といったものはすっかり崩れ各市場ともにいいところどりの状況が強まっています。

ここから相場全体がどうなるのかはよくわからないものがありますが、少なくとも年末12月に向けては株価も上昇し、相対的な関係からドル安になっている為替が大統領年のアノマリーどおりに再上昇を果たすのかどうかに大きな注目が集まるところです。

現状のところドル相場は感謝祭のあとぐらいまでは延々と続くことになるのでしょうが、問題はその後であり年明けのリアルな政権交代後にどういうことになるのかはまだ明確ではありません。

また、バイデン政権が中国とどのように対峙していくのかも不明の部分が大きく、相場に大きな修正が加えられることになるのは先の話ではあるものの、なんらかの変化が訪れることも想定しておく必要がでてきているようです。