11月23日からの一週間は本邦が23日祝日で動かないのに加え、26日には米国感謝祭のお休みがあり25日のNYタイムはほぼ開店休業、27日も短縮営業で事実上お休みで、一週間でまともに動くのは24日と25日の半日程度しかない完全なお休みモードの状況です。

さすがに積極的にトレードする時間帯とは思えないわけですが、相場の参加者が少なく薄い状況で思わぬ展開にならないように注意する必要はありそうです。

ドル円は薄い相場の中で103円割れに注意

ドル円は11月に入ってからファイザー、モデルナといった製薬各社が新型コロナワクチンの治験にかなりの確率で成功したといった報道から吹き上げて105円台に到達する動きを見せましたが、その後は結局ずるずると下げる動きとなり16日の週はすでに104円に戻る時間も限定的で、殆ど後半は103円台に終始する動きとなりました。

週明けは感謝祭でさらに動かない相場になりそうですが、相場全体としてはドル円をロングにする個人投資家が多いようで、この市場参加者の少ない時間帯に故意に下押し相場を示現させてストップをつけて下落を誘発させるような仕掛け売買が出る可能性もあるため、下方向には注意が必要になりそうです。

ドル円 4時間足推移

ただ、暴落のように勢いのある下落は望めそうもなく、ある程度下落したら買い戻すというこまめなトレードも必要になりそうです。

しかし、103円を下抜けますと支えになるポイントがほとんどないことから状況次第では101円に近づく可能性もあり、危険な一週間ということになりそうです。

これまで本邦のPKO軍団は104円をかなり強固に支えてきましたが、すでにそれが破られていることからもう少し下のレベルを試す可能性は十分にありそうで、クリスマス前に100円といったことも全くない話ではなくなりつつあります。

相変わらず決着のつかないUKのBREXIT交渉も要注意事案

ユーロドルのほうは11月初旬に下値を試したものの、直近では逆に1.19に近いところで推移するようになり、テクニカル的にはさらに上値を試す可能性がでていますが、ファンダメンタルズ面からみますとまず新型コロナの感染が猛威を振るっており、ほとんどのEU圏内加盟国は事実上のロックダウン状態に陥っていることから、それだけとってもここから大きく相場が上昇するのは期待しにくいところにあります。

さらにUKのBREXIT交渉はとっくの昔に期限を超えており、12月10日11日に開催されるEUサミットで何等かの合意が得られなければ物理的に合意なきBREXITに陥るリスクが高まります。

なぜか欧州系のメディアは合意が近いと楽観視した報道を繰り返していますが、漁業権や法律的な部分での係争上の問題などは過去4年半交渉をしてもまったく先に進まなかった事案であるだけにここから短時間で解決がつくとは思えず、しかもクリスマスの休暇はUKもEUも双方しっかりとるのが決まり事になっていますから物理的にタイムアウトとなる危険性が高まります。

合意なき離脱をいまひとつ織り込めていない相場がその報道を受けて大きく下落する可能性は否定できず、23日からの週の参加者の少ない薄い相場で交渉失敗が報道された場合、驚くほどポンドとユーロが対ドルで下落することも想定しておきたいところです。

ポンドもテクニカル的には上に行きそうではありますが、BREXIT交渉のことを考えますとこのタイミングで買うような場面ではありません。

ユーロドル4時間足推移

以上のように米国の感謝祭を挟む23日からの週は大きな動意を期待することはできませんが、その後の30日からクリスマスにかけて何等かのラリーが展開されることになるのかどうかにも注目が集まるところです。