12月第二週、本来ならば10日からのEUサミット前に決着がつくはずであった英国のEU離脱交渉が結果的に13日まで延長となり、それでも決着がつかなければ週明けもさらに継続交渉するということが決定し、為替相場はどうにも動きの取れない状況が続いています。
結局期限を過ぎても決着がつかないBREXIT交渉
英国のBREXIT交渉は期日が12月末日で、これを動かすのは加盟国すべての承認がいるのでどうにも変えることはできないという話が事前に広く伝わっていたのですが、蓋を開いてみればどんどん交渉が後ずれする始末で、実際いつまで遅らせることになるのかよくわからない状況になりつつあります。
クリスマスの時期は何がなんでも休みをとるのが欧州圏ですから、さすがにこの12月第三週中にはなんらかの決着がつくことになるものと思われ、為替相場は依然として楽観的な見方も残っており、合意なき離脱は完全に織り込まれていないのが実情です。
全く合意のないBREXITが示現した場合には、ポンドはそれなりの下落に見舞われる可能性が高く、ドル円もそうした下落に引きずられることになるのかどうがが注目されるところです。
週を通してみますと、もっとも動いたポンドドルは週初に結構上昇する局面があり、半ば以降状況が徐々に悪い方向に向かっていることが詳らかになりはじめますと下を目指す展開となり週末は1.32の手前で週の取引を終えています。
したがって、No Deal BREXITが確定した場合はここからさらに1000PIPS程度は下落するリスクを常に背負っていることは意識しておかなくてはなりません。
とくに金融市場では英国の合意なき離脱が確定したところで、ドイツなどに拠点を移す米系銀行がかなり多くありそうで、資金として蓄えていたポンドをユーロに替えるといった実務的な動きもこれから発生するだけに、ポンドは対ユーロでも対ドルでも相当弱含むことが予想されるところです。
FOMCは織り込み済みでドル安進行再開か
今週16日、日本時間では17日の午前4時には今年最後のFOMCが開催され政策内容が公表されることになりますが、バイデン政権でイエレン前FRB議長が財務長官に内定したことから、パウエルFRB議長とタッグを組んだ緩和措置がここからも当分継続するとみられており、相場もそれを既に織り込み済みで、よほどイレギュラーな発言がない限り大きな相場の変動は起こらないものと思われます。
ドルはこの先ドル安方向にさらに推移することが考えられ、その動きが加速することになるのかどうかに注目が集まります。
ドル円自体は相場のテーマからは、蚊帳の外状態でほとんど動かないレンジ相場の一週間を過ごし取引妙味を大きく下げる展開となりましたが、週明け円としての動きがどうなるのかに注目が集ります。
18日年末のとりを飾る日銀が現状維持ならドル円下落必至
18日には主要中央銀行の年末のとりを飾る形で日銀の政策決定会合が予定されています。
今のところ何も大きな変更はないのではないかというのが大方の市場の見方で、14日には日銀の短観も発表され新型コロナの影響がかなり色濃く出てくることが容易に予想されますし、FOMCでFRBが緩和にさらに前向きであることが詳らかになった場合、日銀が本当に何もしないで年末の会合をスルーできるのかといった憶測も出始めています。
仮に新たな緩和措置などが出なかった場合には、ドル円は売りに押されることも考えておく必要がありそうで、市場としての注目度は高くないものの日銀の動きからも目が離せない状況になりそうです。
今年もあと3週間余りとなりますが為替相場としては18日までが年内の最終で、それを超えますと極端に市場参加者も減ることが予想されます。
株式相場では一定のリバランスも予想されていますので、それに影響を受ける形で為替相場も独特な動きがでることに注意したいところです。