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今週20日、いよいよバイデン政権が発足します。

11月の選挙以来結構ドタバタする異例の展開となったわけですが、いよいよここからバイデン政権のブルーウエイブ運営が始まることとなります。

当初はブルーウエイブの実現は民主党による大きな政府の実現し放題で、かえって財政負担が大きくなり重ねて富裕層や企業への増税も厳しくなることから、株式相場にとっては決してプラスにならないといった悲観論が強まりましたが、いい所どりの相場のおかげで株価は上昇軌道を維持しています。

過去50年のブルーウエイブ状態における株価の推移は良好

1951年からの過去50年間民主党が政権を発足し、上下両院で過半数を確保するというブルーウエイブの状況を作り出したのは18年程あります。

政権が民主党でも中間選挙で負けて共和党が上院、下院のどちらかの過半数を獲得した場合にはブルーウエイブではなくなりますので、各政権の在任期間がすべてブルーウエイブとはならない点がその期間を限定的なものにしています。

51~53年のトルーマンの2年、61年から63年に暗殺されるまでのJFケネディの3年間、その後64年から68年までのジョンソン政権の4年、77年から80年のカーターの3年、93年から94年のクリントン政権、2009年から2年のバラクオバマ政権がブルーウエーブの期間となり、18年間を総合しますとS&P500の毎年の収益平均は9%となり、全体の8割弱がプラスに働くというかなり良好な結果を示していることがわかります。

ただし、バイデン政権は必ずしも過去の民主党政権とは異なる部分もあり、本当にこうした株高がさらに示現するかどうかが大きなポイントになりつつあるのです。

党内では左派が大きな力を持っているのが今の民主党の大きな違い

民衆党といえば、60年代のケネディが登場したころがもっとも民主党らしいという支持者がいまだに多いわけで、当時と比べますと民主党政権はクリントンの時代から大きくその形を替えすっかり軍産複合体の体をなすようになり、高邁な思想で臨んだはずのオバマ政権も斬新さがよかったのは最初だけで、後半はほとんどクリントン政権を彷彿とさせるように軍産複合体に取り込まれてしまった状況となってしまったのが現実です。

それこそがトランプ政権を生み出す一つの大きな原動力になったわけで、民主党政権には閣僚は出てこないものの相当な左派勢力が存在しており、米国の若年層は同じ民主党でもこうした左派のサンダース、エリザベスウォーレン、AOCことオカシオコルテスなどを強く支持しているため、バイデン政権は純然たるブルーウエーブではないのではないかといった見方も強まりつつあります。

上昇しすぎた相場が転換する可能性は十分に考えられる

米株は年末からの上昇の一服感で一旦調整的な下落の動きを示現しかねない状況で、イエレン新財務長官とFRBパウエルのMMTバラまきコンビが放つジャブジャブの資金提供がもたらすバブル相場の継続を市場参加者の多くが期待しているものの、あきらかに新型コロナバブルとも言うべき相場がどこかで厳しい下落による洗礼をバイデン政権に浴びせる可能性があることも視野に入れておく必要がありそうです。

だいたい市場参加者の大半が楽観的な見方をする場合は、バブルが崩壊する可能性は極めて高くなりますから、たとえ大暴落とはならなくても一定の修正を余儀なくされることは覚悟しておくべき状況です。

バイデン政権の追加給付金支給で、またしてもロビンフッダーが大量に株式市場に資金を入れてくる可能性は十分に考えられそうで、ここから常に上昇相場が続くかどうかは全く別問題になりそうです。