令和にご祝儀相場はやってこない?むしろ下方向に注意が必要
https://www.cnn.co.jp/world/35136478.html?ref=rss

いよいよ新時代・令和のスタートとなりました。昭和から平成は天皇崩御というところからスタートしているだけに社会が喪に服すといった状況が結構続きバブルに沸く株式相場が大きく息を吹き返すのには3か月近くかかった記憶がありますが、今回は昭和天皇のご存命中の皇位継承ということもあって市中では想像以上に明るい祝賀ムードが漂っています。もちろん国民としてはおめでたいことでお喜び申し上げるべきことなのでしょうが、相場に関してはそれがそのまま持ち込まれてプラスに働くとは簡単に思えない状況です。Sell Side,いわゆる証券業界に近いアナリストなどは令和でご祝儀相場が到来するといったかなり楽観的なことを口にして相場を煽ろうとしているようですが、冷静に見た場合本当にそうした相場になるのでしょうか。
現実の相場を見続けいますと必ずしもそうではない現実が見えてきます。改元と相場を結び付けて語るのはいささか不遜な気もしますが、現実をしっかり見据えるというも重要です。

昭和・平成初期の持ち合い株主が消滅

昭和などの古い株式相場をご存知の方は思い出されることも多いと思いますが、その昔の本邦株式市場は企業間やメインバンクをはじめとする銀行が株式を取得するいわゆる持ち合い株主というものが相当な割合を締めていました。ある意味これが個別の株を大きく下落させない抑止力になっていたわけですが、上場企業が増えたことに加え、平成に露見した銀行の負債総額が膨れ上がったこともあってメインバンクが企業の持ち合い株主になることはまったくなくなってしまったのです。
これが相場に大きな変化を起こしたことは言うまでもありません。
まず年末や正月にご祝儀と称して相場がある程度色を付けて上昇して始まるとか終わるといった脚色されたものは一切見受けられなくなってしまったのです。
こうした状況は足元の相場ではさらに厳しく、改元だからご祝儀相場という言い方を聴きますが一体だれがだれに対してご祝儀相場を成立させるのかまったくわからないというのが正直なところとなっています。

外人投資家とアルゴリズムにはまったく関係ない事象が改元

もうひとつ足元の市場で昭和から平成に移行した時代と大きく異なっているのは市場参加者の変化の問題です。現状では投機筋の8割近くがAI実装のアルゴリズムなどコンピュータ取引を主力にしており、しかもそれがほとんど外人勢ときていますから、日本の元号が変わるということがよほど経済的にプラスに働く材料にでもならないかぎり来週から令和の相場が始まるといっても買い上げる材料にはしないという冷酷な状況が待ち受けているわけです。
冷静に相場の状況を見ますと米国ではS&Pが確かに新高値を更新しているものの、市場参加者は非常に限られており、しかも主要なファンド勢や機関投資家が買いに入ってこないという相当冷めた相場が展開中です。VIX指数は昨年1月に相場が上昇したとき以来の低下状況ではありますが、過去に上昇に転じたときには大きく株価が崩れるところも気になるところです。
米国では株の上昇と債券価格の上昇が平行して続いており、これも本来の送還・逆相関関係を崩す動きとなっています。
たしかに令和のスタートと連動して10連休が実施されていますので、消費の財布のひもは一時的に緩むのかもしれませんが、連休明けからは食品価格の上昇が待ち受けており、しかも働き方改革で多くのサラリーマンの残業代が5月から激減するため可処分所得はミクロ的なレベルで急激に縮減しそうな状況で国内経済にプラスに働くものが極めて少ないのが実情です。

週明け相場がどのように展開していくのか非常に関心の高まるところですが、単に浮かれ相場から株が上昇するとか為替が上昇するといった荒唐無稽で安易な発想だけは避けてより現実を直視することが必要になりそうです。
リアルな相場は証券会社のアナリストが口にする楽観論とは違うところで動いているのが現実です。