早いもので今年も既に後半の相場に差し掛かってきています。これまで大気名動きがなかったことから市場におけるプロ中のプロであるヘッジファンド勢も今年はかなり静観する向きが強かったわけですが、この8月相場に変化が現れる見込んでいるファンド勢はかなり多いようで、7月末のFOMC以降相場がどうなっていくのかをかなり克明に注視していく必要がでてきているようです。
7月のFOMC利下げで相場に異変が起きるのかどいうかが注目ポイント
21世紀に入ってから米国では2回大きな利下げが起きています。はじめは2000年のITバブル時期で、二つ目は2008年のリーマンショック直前のサブプライムローン問題が顕在化した時期でした。両方の時期ともイールドカーブが一部フラット化、逆転現象が起きいわゆる逆イールドが示現することになりましたが、この利下げで再スティープ化が進んだあたりに株価が大きく下がり始め、大きな下落につながるという独特の動きを見せることになります。もちろん今回の利下げがそうした大幅な相場の下落のきっかけになると断定することはできませんし、トランプ政権は2020年まで今の相場状況を持続させようと必死の状態ですから同じことが起きるかどうかは全くわかりませんが、市場ではかなりこの夏の相場に気をつけ始めていることは間違いなさそうな状況で、今回も0.25%なのか0.5%なのかはわかりませんが、利下げ後の株式市場の動きを注視すべき時間帯にさしかかっているようです。
すでに利下げ自体は織り込み済みの7月FOMC
CMEのFedWatchを見てもわかる通り市場は7月のFOMCの利下げ自体は完全に織り込んだ状態で発表を迎えようとしています。さすがに7月末時点で0.5%いきなり利下げを見込む確率は21%程度まで減少していますが、年内の利下げ確率を見ますと現時点ではなんと5回の利下げまで織り込む市場参加者がおり、ここからの利下げ期待は相当強いことがわかります。
こうなるとここから先も潤沢に利下げを行う意向がFOMCの声明もしくはパウエル会見で示唆されませんとやはり株式相場が下落することで延々と市場がFRBに利下げの催促をしていく動きになることがかなり強く見込まれることになり、ドル円がそれに追随して円高方向に動くリスクは高くなりそうです。もちろんFOMC直後からいきなりドル円が下落するかどうかはわかりませんが、8月は通常円高にも動きやすいことから、利下げを見て一旦買い戻しがでたとしてもその後は再度下方向を目指す可能性を考えておく必要がありそうです。
ファンド勢はかなりドル円の下方向を見ている様子
8月相場については米系のファンド勢も株の下落とドル円のドル安円高方向を想定しているところが多いようで、もちろん想定通りになるかどうかはわかりませんが、大暴落にはならなくてもそれなりの調整が入ることを見込んでいる向きが相当増えているようです。とくにドル円に関しては参議院選挙も終わって安倍首相に貸しを作っているトランプがなにか円相場について発言してくるリスクは相当高そうで、日米通商交渉で納得のいくような農産物の買い入れが日本から得られない場合には本当に為替介入すらしかねない状況が近づいている点もこうしたファンドの予想を支えているようです。
米国の景気拡大はリーマンショック後なんと120か月に到達しようとしているわけですから、いくらトランプがこのまま来年の選挙戦まで株価の上昇を支えたいと考えてもかなり無理がありそうで、大暴落を期待するかどうかは別としてそれなりの調整が入ってもおかしくない時間帯に差し掛かっていることだけは相当意識して売買をしていく必要がありそうです。
ここからは相当慎重に売買していくことが求められそうです。