10月第一週の為替相場は米国時間に発表された先行景気指数が軒並み悪化する形となり、為替相場は大きく下落する動きを示現しました。10月1日に発表された米国の製造業景況指数が2009年以降で最悪のレベルにまで落ち込んだことをきっかけとして米株市場は大きく売られることなり10月2日のNYタイムではほとんどすべての業種の株が売り込まれるというかなり厳しい状況となりました。さらに10月3日にはISM非製造業景況指数も大きく悪化して株式相場は下落したものの、10月のFOMCで利下げが行われるのか確実になるのではという期待から逆に買い戻されるという不思議な動きをみせています。

また4日に発表された米国の雇用統計では雇用者数の増加幅が市場予想に届かず、賃金の伸びも鈍化したものの失業率は3.5%と実に1969年以来の低いレベルを達成しており、これで俄かに景気が悪いといえるのかどうかかなり微妙な情勢になりつつあります。

ISMに過剰反応の感もあるが経済は失速直前という見方も

確かにISM製造業景況指数がリーマンショック後の2009年レベルにまで落ち込んでしまったことは大きな懸念事項ですが、もともとトランプが登場するまでは米国の製造業が停滞してきたことは明らかで、いくら保護主義的に国内での製造と雇用を確保する動きをしようしても製造業の業況が急激に改善するということはなかなか期待できないものがあります。むしろ米国で重要なのはGDPの7割を攻勢する個人消費の方で、ほとんど米国経済はこの個人消費ひとつのエンジンで飛行してきている点がかなりの懸念事項といえます。今のところ消費に急激なブレーキがかかりはじめているという兆候はないものの、自動車販売は今年になってから急激に落ち込みはじめていますし、高額な不動産販売にも影が差し始めている点を考えると先行き経済が失速するリスクはかなり高くなってきているようで、景気を先取りする株式市場が先行して下落していく危険性はかなり高くなってきていることがわかります。いよいよハロウィンのあとは感謝祭で米国最大の消費月間へと突入するわけですが、この辺りからさらに消費に陰りが出始めるようであれば株価は一段と大きく下落調整していく可能性が高くかなり注意が必要になってきています。ISM非製造業景況指数も悪化しているのはかなり気になるところで、景気の先行指標が惜しまべ手去るくなっている点は見逃せないところです。

ドル円は108.500円を抜けられずに大幅下落~このまま週明けも下値を模索するかどうかが大きなポイント

相場ウイークリー・米国の景気先行指標軒並み悪化で先行き不安のドル円
ドル円4時間足推移

市場はなんでも中央銀行の政策頼みだが景気減速はそれだけでは補えない状況に

リーマンショック以降、景気が変調をきたしそうになると常に米国では中央銀行であるFRBの緩和政策頼みが続き、今回も景気の先行指数悪化で10月末のFOMCにおける利下げ期待が再度高まりつつあります。結果的に11年以上も中央銀行バブル景気が継続してきているわけですが、通常は0.5%利下げした場合には一旦様子を見るのが定石になってくるだけに、ISMの指数が悪いからというだけで果たして緩和措置が実施されるのかどうかにも注目が集まります。金をばらまく政策を行えばたしかに株価は高値を維持できることになるのかも知れませんが、所得の再分配に明確な問題が顕在化ししている中にあっては個人消費だけがここからさらに堅調に推移するとは思えない状況です。

週明けからのドル円は引き続き下値を模索する展開が続く可能性はありそうですが、すでに短時間で3円も下落を示現してしまっていますので、一旦上値に戻って再度下落を試す可能性も残りそうです。10月相場は米株もそれなりに下落しやすい時間帯に入りますが、まさに10月入りからすぐにセンチメントが変わってきているわけでまだ一定の下落を試す危険性は高くなりそうです。テクニカル的にはすでに節目の107円を抜けていますし、一目均衡表雲上限すらも明確に下抜けているだけにさらに下値を試しそうですが、足元の材料だけから105円を割るほど深押しするかどうかも疑問が残る状況で、結果的に一定の値幅のレンジ相場を形成することも考えられます。10日からは米中の次官級での貿易協議も再開されますが、こちらも短期間でプラスに働くような中身が飛び出すことは考えられず、むしろ交渉がうまくいかないことでさらに下押しする危険性に注意したいところです。

ユーロドルもドル高基調に注意

相場ウイークリー・米国の景気先行指標軒並み悪化で先行き不安のドル円
ユーロドル4時間足推移

一方ユーロドルはISMの指標の弱含みから先週は週の初めに1.094あたりで寄り付き、ドイツの消費者物価指数が市場予測を下回ったことからこちらも1.087レベルまで2年半近くぶりで下落する動きをなりましたが、10月に入ってからの米国の景気先行指数の軒並みの悪化から逆にユーロが買い戻される動きとなる展開となりました。ただ1.1レベルではさすがに戻り売り感も強く週明けからの相場でもユーロ安ドル高基調の動きが続きそうです。