先週末までのドル相場は米中通商交渉の進展期待から異常とも思えるほどアルゴリズムが相場を買い上げる動きを見せましたが、悪い報道のヘッドラインがでるといきなり相場が下落するというかなり荒っぽい展開が続きました。11日のNYタイムでは米中交渉期待がさらに高まり一時ドル円は108.600円レベルを超える動きとなったものの、さすがに過去2回このレベルでは止められているだけに、本邦の輸出勢とみられる実需の売りに加えて、下値で買ったドル円をこのレベルでGPIFが売っているという情報もあり、そう簡単に109円を超えて上昇するわけではない相場が明確になりました。

ドル円は引き続き上下振幅が大きくなる可能性も

週明け日本も米国も祝日でお休みとなりますから大きな動きは出ないことが考えられますが、逆に材料出尽くしで無理に上昇させてきた相場の反動から反落が起きる可能性も十分にありそうで上値は上げても109円台前半、下は再度106円台中盤の値幅が想定されます。

ドル円は長期の月足の三角持ち合いの中から一旦8月21日に明確に下抜ける動きを示現しましたが、結果的に二か月近く経ってまたこの三角持ち合いの中に戻る動きをしていることから年間8円程度の値幅の外に出るのはかなり至難の業になりつつあります。

米中貿易協議は一旦追加関税見送りという形で第一段階の交渉が決着したようですが本丸の交渉結果については特別な合意がなされたわけではなく、トランプが感情的になって追加上乗せした関税部分が回避されただけというかなり微妙な状況になってきています。この比較的おとなしい合意状況で相場が週明けさらに買いあがるのかどうかは微妙で、むしろ今後の追加報道でまたしてもネガティブな話が飛び出せばいつでもアルゴリズムにより相場は下落に動く可能性が高そうで油断は禁物です。

相場ウイークリー・10月14日週相場は依然として乱高下継続か
ドル円月足推移

トランプ政権が誕生した2017年以降は結構激しい動きをしたような気になるドル円相場ですが、実は上は114円、下は104円程度でここ2年半以上延々と10円幅の値動きを続けているレンジ相場であることがわかります。したがってここから年末までの二か月半よほどのことがないかぎりこのスケールでの展開となることが考えられますが、上値もそれほど大きくは無さそうで、レンジの中で逆張りをしながらうまく相場をとっていくことが重要になりそうです。

ユーロドルは逆に下値の堅い動きに終始

相場ウイークリー・10月14日週相場は依然として乱高下継続か
ユーロドル4時間足

ドル円以上によくわかりにくい動きとなってきているのがユーロドルで10月1日にほぼ二年半ぶりに安値を付けたもののそこから反転して切り返し、妙に下値の堅い動きが継続中です。ただ、これが上昇トレンドになったのかといえばそれもかなり無理があるようで1.111レベルと確実に突破しないかぎりは相変わらず戻り売りのレベルに入っているようです。またファンダメンタルズ的にいいますとユーロはまともに買い向かえるような状況ではありませんから対ドルではことある事に弱く動く可能性を相当考えておく必要がありそうです。

一番予測不能なのが英国ポンドの動き

相場ウイークリー・10月14日週相場は依然として乱高下継続か
ポンド円4時間足推移

10月31日が近づくなかでさっぱり先行きがわからないのが英国のBREXITです。足元ではっきりしているのはEUとの合意で31日までに離脱することはなくなったことで、ここからの選択肢としては結果また3か月の離脱延期が有力ですでにポンドはかなりの買戻しが進んでいますから延期が正式決定してもここからさらなる買戻しがでるかどうかは不透明な状況です。金曜日にはアイルランドとの会談でバックストップの設定に新たな期待が高まったことから合意ある離脱の可能性も高まるのではないかといった大幅なショートカバーがでるなど、相変わらず報道ヘッドラインベースで相場が大きく振れる動きになっています。ただ、18日、19日のEU首脳会談を経て正式にEU離脱延期が決まれば総選挙も考えられボリスジョンソンが続投できなくなる点も大きなリスクになりそうです。

今のところほとんど可能性がないと言われている合意なき離脱ですが、法を冒すようなかたちでボリスジョンソンがまさかの手法を駆使してこれに踏み切った場合にはポンドがかなり厳しく売り込まれることが予想され、ポンド円でも簡単に5円以上の下落が起きるリスクがあることから週明けから月末までの相場の中でもっとも想定外の大きな動きをもたらすのはこの材料になるのかも知れません。しかし英国民でさえこの先の状況を読み込めないとされている状況ですから相場の方向感を読み込んで事前にポジションをもつことだけはかなり危険なようで、あくまで方向がでてからエントリーする注意深さが必要になってきているようです。

徐々に今年も時間がなくなりつつあり残り2か月半余りですが、相場を劇的に動かす材料はひとつひとつ消え始めているだけにBREXITの行方は今年残された時間の最大の相場を動かすドライバーになるのかも知れません。