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今週17日、18日のEU首脳会談においていよいよ英国のBREXITの行方がはっきりしてくることとなりますが、すでに1週間を切った期間であるにも関わらず英国内でもどうなるのかは極めて不透明で混沌とした状況が続いています。

離脱をめぐる4つの可能性

いまさらどうなるかの確率を算定してみてもほとんど意味がないことですが、現状で考えられる4つのシナリオを改めて整理してみました。

離脱期日延期案

現状ではもっとも確率が高いのではないかとされているのが18日までのEUサミットで何ら友好的な解決がはられないまま期日の19日を迎えて仕方なく離脱延期を英国が願い出る形でEUも渋々認める形から延期が決定という非常に不甲斐ない結果です。この場合リスク回避ということから一定の買戻しがでることも考えられますが、すでにかなりショートカバーが進んでいしまっているだけに上値もそれなりに限定的になりそうで、ポンド円でいえば127円から135円程度での推移になりそうです。

果たしてどのレベルで離脱延期になるか次第でポンド円の利益幅というものも変化するものとなりそうです。

合意なき離脱案

ボリスジョンソンがいる限りどうしても消えないのがこの合意なき離脱案で、議会でも離脱延長の法案が可決しているわけですが、なんらかの方法を駆使することこの合意なき離脱が行われる可能性も10%程度残されているようです。

この場合にはポンドはかなり売り込まれることが予想され下値は最大で121円レベルまで対円で押し込まれる可能性も残ります。議会の決定はボリスジョンソンでなくてもEUサイドに通告することはできるようですから、ボリス一人が抵抗しても合意なき離脱にはならないはずですが、なにが起こるかわからないという点では一つのシナリオとして押さえておくべきでしょう

合意ある離脱案

これまでまったくその可能性が浮上しなかった合意ある離脱案ですが、先週英国首相とアイルランド共和国の首相が会談して中身は詳細わからないものの合意方向へ向かっているという報道が飛び出したことから驚くひどポンドが買い戻される動きになっています。ただ北アイルランドが2つの国境を有するという案はメイ首相時代にすでに障害を乗り越えられずに失敗しているだけにこの短い時間でいきなりワークするとは思えず、単なる期待だけに終わりそうです。

英国のEUからの離脱撤回案

現状で一番可能性が低い、ほぼないとみられているのが英国のEUからの今さらながらの離脱撤回案です。ありえないことの可能性を探っても意味はありませんが、これが万が一実施となった場合にはポンドは対ドル、対円で大きく買い戻されることになり144円レベルまで暴騰してもおかしくはない状態です。

ポンド円月足推移

あらためて2016年6月末のEU離脱投票成立からの相場の動きをみてみますと足もとまででほぼポンド円は42円ほどの値幅で動いており今年に入ってからも上下幅は30円でドル円の年間値幅の3.8倍で推移していますから、今回のイベント結果でも簡単い5円から6円ぐらいは動く可能性があり、しかも動きはじめてから乗っても十分に利益がとれることが期待できるので積極的にはじめからポジションを持って待ち構えていなくても動きがでてから飛び乗ってそれなりの利益にありつくことができそうな状況になってきています。年末にむけて為替が大きく動きそうな気配がないだけに結果を見てから売買してみるというのも一つの選択肢になりそうです。

早ければ今週後半にはなんらかの動きが現れることになるのではないでしょうか。