米国FRBの隠れ量的緩和の実施や、利下げの影響がプラスに働き、米株は史上最高値を更新する動きが継続中です。

さらに中国政府の見解として、米中協議が合意に向かっていることが大きく報道されたことから一段高となっており、この調子でいけば感謝祭までは少なくともじり高の状況が続きそうで、不注意に売り向かうのは非常に危険な時間帯に入ってきています。

この米株の上昇に連動するかのように、国内日経平均もじり高を続けており、こちらもそう簡単には崩れそうもない雰囲気を徐々に少しずつつ出始めています。

ドル円もとうとう109.300円を上抜けており、110円方向へどこまで上昇するのかが、大きな注目点になってきています。

ただ、米国の状況からくる上げとは別に、本邦サイドでかなり株価と為替を下げないような動きが出ているようで、日経平均の連続じり高上昇はこれとはまた別のムーブメントが機能しているようです。

どうやらその材料となっているのが、衆議院の解散であるという見方が出始めています。

年内解散はなくなったかのように見えるが株価は強力な維持が起動中

Photo 時事通信 https://www.jiji.com/jc/article?k=2019110700995&g=pol&p=20191107at43S&rel=pv

当初安倍政権は、11月中に解散総選挙に打ってでて、外交日程と皇室行事の合間をかいくぐる12月15日選挙というのが、かなり確実なスケジュールとして噂されていましたが、10月の台風による災害の大幅な悪化、さらに改造内閣での問題大臣2名の立て続けの辞任、大学入試問題などが湧いて出てきていることから年内解散は見送りで、2020年の東京五輪まではないのではないかといった見方も広がっていました。

しかし官邸からは、消費増税後の株価をなんとしても下げないようにと、いわゆるGPIFを始めとするPKO部隊にも民間の機関投資家にも強い働きかけがあるようで、同様にドル円も下げさせない動きが出ているようです。

年内解散がどうなるのかはまったくわかりませんが、どうも年明けも含めて早期解散を本当に考えている可能性はかなり高いようで、これが日本株だけ妙に上昇する10月の動きに反映されていた可能性は、結構高そうな状況になっています。

一般的には過去の選挙でも、12月に実施した場合はなぜか自民党が勝利するケースが多く、アノマリー的にも12月実施というのは完全には消えていない状況です。

不注意なレベル感からの戻り売りは禁物

衆議院の解散は政治的な決定ですから、これ以上予測のしようがありません。
政権がいつでも解散できるように年末から年明けに向けて、株価を維持させるように動きているとした場合には、簡単に相場が下がらない可能性は高そうです。

それを遥かに超えるような世界的な問題が起きれば、完全に飲み込まれるリスクもありますが、当面は不注意なレベル感から、売り向かうのは避けるほうがよさそうな印象が強くなっています。

ただ、野党の足並みが揃わないのも事実ではありますが、本当に政権批判が集中するこの時期に解散に打って出られるのかにも大きな疑問があります。

とは言うものの、じり高を続ける国内株式市場にはこうした背景があるという視点で相場を眺めなおしてみますと、上昇理由も理解できそうです。

日米ともに現行政権は、とにかく株価を下げさせたくないばかりに、経済原則とはまったく逆に進む政策を平気で打ち出してきますから、足元のバブル相場が簡単に終わらない可能性は十分にありそうです。

テクニカル的には、かなりピークに達している相場状況も、意外に延命してしまうことには相当注意が必要で、売り向かうのには、最適なタイミングの判断が必要になることは間違いなさそうですので、十分にご注意いただきたいと思います。