17日から始まった2月第4週は、4年近く三角持ち合いの中で推移していたドル円が日足、月足レベルでも大きく上方向に突き抜けることとなり、久々に一週間の中で2円を超える上昇を果たしました。
さすがに短期間に大幅上昇をしたということもあって、ここからは上下に振れながら横展開をして日柄調整することも考えられますが、まだ相場は若い状態で始まったばかりでさらに上方向を目指すことが考えられ、どこまで上昇するのかが注目されるところです。
テクニカル的にはこの長期の抵抗線を超えたことから、114円台中盤レベルまで上昇する可能性は十分に考えられそうですが、米国の大統領選も本格化するなかでトランプ大統領からドル高についてはなんらかの発言が飛び出した場合には上昇が一旦抑えられる可能性もあり、注意しながらついて行くことが求められそうです。
明確に上値抵抗線を抜けたことから猛烈な上昇圧力がかかる可能性も
この4年間では2回ほど三角持ち合いから下抜けしそうになったタイミングがありましたが、上抜けしたことは一度もありませんから、この流れがある程度続くことになれば昨年の最高値あたりまでは上昇しても全くおかしくはない状況といえそうです。
ただ一気に上がり過ぎていますので多少もたつく時間帯もありそうで、最高値で押し目がなくてもついて行く位の気合でロングをいく必要がありそうです。
今回のドル円の上昇は日本でのコロナウイルスの拡散リスクが極めて高まったことや、昨年10~12月のGDPの速報値が劇的にマイナス6.3%というレベルを記録したことなどから、為替は日本売りになっているのではないかという指摘がでています。
本来日本売りならば債券がもっとも売られ株も連動して売られるのが定石であるにも関わらず、今回はそうなっていない点に多少疑問が残るところです。
債券に関しては過去7年間で日銀があまりにも大量に買い集めて保有しているに加え、残りはほとんどが金融機関をはじめとする本邦勢が保有していることから、他国のように債券を売り浴びせる向きがないというのが理由である可能性が浮かび上がっています。
また株価も本来日本売りでないならば、ドル円の大幅上昇を好感してもっと日経平均が上がってもしかるべきですが、必ずしもそうはなっておらず為替のみ日本売りが進んでいる可能性も否定はできません。
いずれにしてももう少し時間をかけてみていれば、その結果が見えてくることになりそうです。
ユーロドルでもドルが強い状況を示現
一方ユーロドルでもドルが非常に強含んでおり、とうとう1.08を下抜ける動きになってきています。
ユーロ圏は経済状況が今一つよろしくなく、世界的に見ても投資する市場は米国の株式市場か債券市場ぐらいしか見当たらないこともあり、どうしてもドル需要が高まることからユーロドルでもドル高ユーロ安が示現しやすくなっているものと思われます。
この先ユーロ圏で財政出動による景気のテコ入れなどが起これば、逆にユーロが買われることも十分に考えられますが、今のところはドル高が継続しそうです。
ただ時間的にドル高も永続していますので、息切れから相場が一旦戻ることになるかもしれません。
2月に入って市場ではすっかり中国起因の新型肺炎の影響が危惧されてきました。
ドルが非常に強含むようになっており、ドル円に明確なトレンドが出たことは非常に注目されるところで、この動きをいかにしてうまく乗っていくかが週明け相場の大きな課題になりそうです。