これまで中国をはじめとしている極東地域で感染が広がった新型肺炎ですが、米国の株式市場は多少の下落はあっても大きな下落は見られずに推移してきました。
これはどう理解したらいいのか苦しんだようですが、週末にイタリアで感染が拡大したことにより米国でも新型肺炎にともなうリスクオフ相場が驚くほど広がることになり、週明けNYタイムはいきなりNYダウも1000ドル以上下落するというある種の暴落相場を示現することになってしまいました。
このいきなりのセンチメントの変化はさすがに驚かされましたが、やはり欧米圏で感染が広がるということは非常に大きな問題として市場参加者の目に映ることが改めて確認された次第です。
本邦株式市場も下げはしたものの一定の戻りも示現
確かに週明け早々の相場は世界中で株価が大きく下落するという状況に陥ったわけですが、休日明けの東京市場はもちろん下落はしたものの一定の戻りも試す展開となっており、ここから息つく暇もなく大暴落が加速するかどうかはまだ今週の取引を見てみないと良く分らないところにあるようです。
感染者数が爆発的な数字になるであろうことは市場参加者も覚悟したようで、その数字だけで暴落が加速するかどうかは良く分らない状況になりつつあるようです。
ただ、死亡者数が短期間に増加したり多くの国が閉鎖のような措置をとりはじめた場合には、相場の反応は新たなものになりそうでここからは本当に相場の動きを注視していくことが必要になってきています。
新型肺炎に関しては各国ともに先行きの見通しがまったくわからないですから、大きな変化があられた場合には想定外の相場の動きがあるかもしれません。
ドル円はまさかの110円台に逆戻り
日本売りが進んだことでドル円は大きくドル高円安に動いたという見方も非常に強まったわけですが、月曜のNYタイムに関してはこのドル円が激しく売られる展開となり、112円台を付けたレベルから一気に2円近く下落するというかなり乱暴な展開を見せています。
ただ、本来米国10年債の金利の低下から考えますともっと円高にシフトしてもよさそうなものですが、一定のリスク回避は確かに依然として残っているものの、一方的に円高にはならないいつものリスク回避とはちょっと雰囲気の違う状況も見え始めています。
ここから日本での感染者数が爆発的に増えて都市部の機能不全が明確化するといったような事態に追い込まれた場合、またドル円の動きには変化が現れることも考えておく必要がありそうです。
ちなみに韓国では発症者が急激に増えたことを受けて株は大幅下落、為替はウォン安という教科書通りの動きが現れています。
早いもので2月も今月で終了となりますが、年度末に向けては国内への資金の円転による回帰、いわゆるレパトリエーションも月初から中旬にむけてかなり増加することが予想されることから、これまでのドル高円安とはことなるセンチメントが相場に醸成する可能性も考えておく必要がありそうです。
機関投資家は依然として外債投資に積極的でドル買いの需要は、ここからもそう簡単には収まらないという見方もあります。
すべては年度末に絡む話ですから、いきなり流れが変わるという事態に巻き込まれないように注意すべき時間帯になってきているようです。