新型コロナウイルスの感染のほうは国によっては若干減少するといった状況も見られていますが、収束に向かっているとは言い難く、とくに実態経済への影響はこれからさらに大きなものになろうとしています。

そんな中で米株を中心にして株価がかなり持ち直してきており、NYダウはすでに半値戻しを超えてまさかの前値戻しすらあるのではないかといった勢いを呈し始めています。

こうした動きを示現させる大きな原動力になっているのが、世界の中央銀行が一斉に開始した未曽有の金融緩和であり、またしても市場にあふれかえりだした資金が株式市場に流れ込む動きが顕在化しつつあるようです。

前人未踏の世界中央銀行同時緩和措置実施で株価は異常な買い上がり
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また、米国トランプ大統領が5月1日には早々と経済再開宣言をするという話しも相場を妙に後押しする形になっていますが、この新型コロナウイルスは感染が広がっては一旦一息つき、また再拡大するという繰り返しをすることが判ってきています。

すでに感染から回復した人が再感染に見まわれるといった恐ろしい状況も現れ始めており、選挙対策からとにかく前倒しで経済の再開を口にしたいトランプ戦略が裏目にでないのか心配な状況でもあります。

株式市場ではまるでバブルが再来したような風景が展開

株式市場だけ見ていますと、既に新型コロナ問題はすべて織り込んでしまい、ここからは大きく中央銀行バブル相場を再開しかねないように見えてきています。

確かに人類が経験したことのないほどの資金が市場に投入されているので、ウイルスの問題さえ発生しなければ確実にバブル相場が再来することになりそうです。

この相場の下落はリーマンショックのような金融市場起因の危機ではなく、ウイルス性の病魔が世界にはびこることによって、起きている実態経済の過去にないような悪化が起因しているので、金融市場だけが先走って元に戻ろうと動いていても各国の経済はこのままリセッションに突入する危険性が高く、あまりにも景気の実態から乖離し始めてきた株式相場の動きが危惧されるところです。

3月に大きな損失を出しているファンド勢も5月の半期決算を前になんとか損失をリカバリーしたいと考え、株に望みを託しているであろうことはよくわかりますが、それにしても一方的に上昇する株式相場には違和感を感じる時間が続いています。

冷静なのは為替と金と原油の市場

こうした株式相場の超楽観状態とは裏腹に、かなり現実的で冷静な動きになりつつあるのが為替市場です。

金市場は大きく下落、原油市場は減産が決まってもさらに需要が落ち込むとの悲観的な見方から、WTI原油先物は一時的に1バレル20ドルを割るという厳しい状況になっています。

とくに為替は米国の過剰な金融緩和を受けて、やはりドルがここからドル安傾向になるであろうことを反映するかのようにドル円でもドル安が続いており、すでに107円台を割れるレベルにまで下落しはじめています。

もちろん3月相場のように猛烈なボラティリティを伴って大きく下げるような展開ではありませんが、ずるずると下落する相場はさらに下値を模索する可能性も高まりつつあります。

季節的にみても例年ドル円は4月に高値をつけてからは夏に向けて下落傾向にあるので、ここから大きく上昇するとは考えにくく、このドル安がどこまで進むのかが依然注目される状況となってきています。

どこかで市場間の乖離が修正される可能性大

金融市場によって相場の動きがばらばらで、相関性を失うというのはバブル相場の末期にはよくあることです。

しかし株、債券市場と為替、金、コモディティの市場は必ずしもこれまでにみられたような相関性、逆相関性を発揮しておらずパラレルに勝手に相場の状況を織り込む動きになっているようです。

ただこの相場のどちらかが確実に間違っていて、大きな修正を余儀なくされる瞬間がやってくるのはそう遠くない未来に起こりそうです。

景気の悪化をうけて、確実に株価にネガティブな影響がでるであろう株式市場のほうが、どこかで反転下落の憂き目にあう危険性が高まっているものと思われます。

さすがにそうしたタイミングが今月起きるのかもう少し先になるのかは判断できませんが、このまま株価がすんなり全値戻しになりハッピーエンドになるとは到底思えないのが現状です。