既に日本国内ではすっかり決着がついていると思われている米国大統領選挙ですが、12月8日に米国テキサス州のパクストン司法長官が連邦最高裁にジョージア州、ミシガン州、ペンシルべニア州、ウィスコンシン州が新型コロナウイルスの世界的大流行に乗じて、今回の大統領選の手続きを不当に変更し選挙結果をゆがめたとして提訴を行ったことに全米の22州がこの提訴に原告側として参加する意向を示し、新な展開となりはじめています。
提訴に参加した州の知事はほとんど共和党員であることから、さながら民主党と共和党の州が対峙するような状況になり始めており、これを連邦最高裁が果たして受理するのかどうかに注目が集まり始めています。
これまでの提訴と違うのは票の数えなおしではなく憲法違反という問題
テキサス州の司法長官が今回の提訴で指摘しているのは単なる不正選挙ということではなく、合衆国憲法に違反している部分を指摘しており、しかも1州だけではなく22州という多くの州が原告として名を連ねていることから、当初は受理されないのではないかと見られてきましたが、現実には扱わざるを得ない状況に陥り始めているようで、これにより大統領選挙の結果が変わることになるのかどうかが注目されるところです。
これまでこうした不正選挙の類は常に陰謀論としてくくられてきたわけですが、それとは異なる問題にステージが変化しているところに関心が集まっています。
このテキサス州の提訴が認められた場合は選挙人選挙の投票を無効にする効力があり、しかも14日に投票が行われても遡及で無効が確定することになり、非常に大きな意味を持つことになります。
国内の分断は決定的なものになる可能性
この提訴の結果がどういう結果になるのかは全く想像できませんが一つだけはっきりしてきているのは、全米が民主党を推す州と共和党を推す州で明確に対立を始めていることで、双方の熱烈な支持者が主体となって武力衝突などといった選挙から離れた不測の事態に陥ることも想定しておかなくてはならない、なかなか厳しい状況に直面していることが見え始めています。
仮に連邦最高裁で受理されれば詳細が詳らかになるだけに、どういう結論がでても米国内の分断は相当進みそうで、いきなり危惧される状況になってきています。
ハンターバイデンに対する税務調査もバイデン政権の大きな火種に
一方、ジョー・バイデン次期大統領の息子ハンター・バイデンが税金の問題で検察当局の捜査を受けていることが明らかになり、こちらの行方がどうなるのかにも大きな関心が集まりつつあります。
仮に上院が共和党多数派となれば、バイデン政権になってもすぐさまハンター氏の金銭問題とバイデン氏の関わりについて公聴会が開かれるのは必至で何か決定的な証拠が出た場合、就任早々から弾劾といった問題に陥ることもあるため非常に注目されます。
ハンター自身は法にのっとって適切に行動しておりなんの問題もないとしていますが、連邦捜査局に目をつけられているのは相当大きなポイントで、当然任期切れの迫るトランプが背後で手をまわしている可能性もありそうです。
とにかく今回の大統領選挙は、中国の関与の影もちらつくなかで様々な陰謀論が並行して展開されるというまさに異例の状況であり、金融市場の視点から言えばすでに落ち着いてご祝儀の上昇相場が粛々と進むことを期待したいところなのですが、いつ反転するかわからない状況になっているところが非常に心配です。
何か不測の事態に発展すれば株価の下落は免れず、また為替もリスクオフで米国内のリスクですからドルが売られる危険性もありそうで、ここから年末までもその進展について目が離せない時間帯に突入しています。