2月第一週の為替相場は年明け早々進んだドル安の買戻しが進む週となりました。
投機筋は年末からドル売り持ちを積み上げてきた様子でしたが、1月末から2月にかけて大きく買い戻しをする形となったようで、それがドル円の上昇、ユーロドルの下落に繋がることとなったようです。
単純に相場を見ているトレーダーにとっては急にドル高が強まったようにみえましたが、この買い戻しが一段落した段階で果たして週明けの相場がさらにドル高進行することになるのかどうかが注目される相場になりそうです。
ドル円は本来ドル安になりやすいが金利の上昇局面では単純にドル高状態
ドル円は月初に向けて105円台を回復する動きとなり、5日の米国雇用統計ではその発表前に105.700円台まで回復する強い動きになりましたが、雇用統計の結果自体がほぼ想定内に終わったことから106円方向へ上伸する様な動きにはならず、結果反落して105.300円台で週の取引きを終えています。
それまでのチャートの動きから考えれば、より強くドル高に動くのかと期待されましたが、106円に近づいたところでは本邦輸出の実需筋の売り玉がかなり並んだようで、相場材料だけではこのバリアを抜けていく力がなかったようです。
新型コロナの終息期待も一定以上のものがあるようですが、ワクチンの供給は驚くほど遅延しており、殆どの国で満足に接種が受けられていない状況で、米国におけるワクチン接種によるコロナの終息が可視化されるのは先の可能性が高く、米国の感染状況の変化からドルが大きく買い進む可能性はありえない状況となっています。
テクニカル的にはドル円はかなり地合いのいい状況にあることから、さらに週明け上伸することも考えられますが、ファンダメンタルズの弱さを考えますと上昇余地は限られそうで、むしろ若干下方向に戻ることも視野に入れた取引が必要になりそうです。
ユーロドルも下落方向に注意の一週間
ユーロドルはシーズナルサイクルから見ても1月、2月は若干弱めに推移するのが常となっていますが、今年も弱含みに推移する時間帯を経過しているようです。
先週は週末にむけて2か月ぶりに1.2を割る動きとなりましたが、金曜日の引けにかけては一旦下げ渋り1.2050まで持ち直して週の動きを終えています。
週明けも上値余地はかなり限られそうで、下値がそこまで押し込まれることになるのかが注目点となりそうです。
欧州圏も新型コロナにともなう各国のロックダウンが相当長期化しており、その一方でEU圏ではワクチンの接種も3%以下という限られた状況で推移していることから経済的な低迷は今後も続きそうな状況で、当分積極的にユーロが買われるようになるのには時間が必要なようです。
ポンドはマイナス金利回避が買戻し
ユーロ圏から独立した英国のポンドは、先週木曜日スーパーサーズデーということで英国中央銀行の政策決定会合の結果発表がありましたが、マイナス金利については当分行わない旨が発表されたことから、大きく買い戻しが進む状況となりました。
これは過去4年に渡るポンドの売られ過ぎの解消的動きとみることもできますが、果たしてどこまで戻すことになるのかが大きなポイントのようです。
全体的に見渡しますと、為替は金融市場の中では大きなテーマとなっていないことから、ドルの買戻しがでたといっても大きな動きにはなっていませんが、春先にむけてまではドルはあらゆる通貨に対して強く動く時期でもありますので、シーズナルサイクルにも十分注意しながら取引きしていくことが重要になりそうです。
全体的にどの通貨ペアも動かない時間帯が長くなってきていますから、できるだけ動意が維持されている通貨ペアを優先して取引きするなどの工夫が必要になりそうです。
2月第二週は11日が日本は祝日ですし中国は旧正月に突入しますので手仕舞いも出やすくなりますから、急激な反対売買に影響を受けないように注意することも重要です。