9月第一週の月曜日、米国はレイバーデーで休日となりますが、これが終わるといよいよ市場参加者が相場に戻ってきて本格的な夏休み明け相場がスタートすることになります。ヘッジファンドなども今年残り4か月で大きな利益を稼ぐべく本格稼働し始めることからここからの相場の動きがどうなっていくのかが気になるところです。

ヘッジファンド勢は今年前半ポンドの取引でポンドで荒稼ぎ

今年はすでに3分の2が終了してしまいましたがFXの世界でファンド勢は何で稼いていたのかと言われると多くのマネージャーが口にするのがポンドの売りだったようです。

ポンドドル 日足 年明けからの推移

上のチャートはポンドドルの日足の年初からの推移となりますが、やはりBREXITという大きな問題をかかえ、しかもメイ首相が辞任してボリスジョンソンに代わってもほとんど状況を改善させる時間が残されていなりことから刻一刻と合意なきBERXITに突き進んでいるのが実情で、確かにニュースのヘッドラインで楽観的にな内容がでるとアルゴリズムがすかさず買い戻しを行うことからショートカバーも何度も出る相場となってはいますが、トレーリングストップなどを置けば3月中盤以降はそれなりにショートで利益をとることができた相場となっていることがわかります。投機筋も一度売ったらそのままという形ではなくあくまで大きく戻したところを売るようにして下がりきらなくなったらリカクという繰り返しを相当な枚数で行うことで確実に利益を積み上げたようです。

8月に1.20までつけているわけですから丹念に売りでとっていけば確かにドル円などと比べても相当な利益が出たことがわかります。多くのファンド勢はポンドは合意なき離脱が近いとみているようですからここから10月末まではまたかなりの下落を期待しているようで、たとえ戻りがあってもロングで買い向かうことは行っていないようです。もちろんショートカバーがでるということはロングでもそれなりに稼げる時間帯があることを示唆していますが、この辺りのやり方がちょっと異なるようです。

ドル円の8月はやはり相当なボラティリティを示現

一方ドル円ですが、8月は事前の期待通り大きく動くこととなりました。事前の予想通り円高という動きではある程度当たりとなったわけですが、105円割れで正月3日の下値を試すところで終わってしまい104円割れまで走らなかったのは正直あてが外れた印象で、個人的にはさらに103円台方向に下抜けることを予想していただけにちょっと期待はずれという状況になりました。

また、ドル円を動かすドライバーとなったのは一旦の上昇こそ7月のFOMCの結果を受けたものになりましたが、その後の下落はもっぱらトランプ発言によるもので対中追加関税の実施や中国からの報復関税実施の報道、さらにそれを受けての米国側のさらなる追加関税の実施などほとんどがトランプのツイートに相場が大きく振らされることとなり、トランプツイートが大きな相場の原動力となっていることがわかります。

債券金利がドル円下押しの大きな材料になるのではと想定していたわけですが、アルゴリズムが異常に反応することからトランプツイートやトランプに絡む報道のヘッドラインが大きく相場を熟れ動かす強いドライバーとなってしまいました。

ドル円4時間足8月1日以降の動き

8月1日以降今月の相場でドル円が一日で1円以上動いたのは実に9回で、1日、2日、6日、7日、13日、14日、15日、23日、26日ということになりました。変動幅が大きかったのは1日で業者によっては若干数字が異なると思いますが、ほぼ2円、翌日2日は1円、6日が1.5円強、7日が1円とお盆前からかなり大きな動きを示現することとなりました。

また本邦勢がいないお盆休みの時期も大きな動きが出ることとなり13日が1.9円弱、14日が1.06円程度、15日が1.1円弱ということでこちらも予想通りかなりのボラティリティが出ています。23日のジャクソンホールでのパウエル講演については大きな動きがなく、逆にその直前の時間帯からはじまったの米中の関税をめぐる応酬劇のおかげで23日、週明けの26日も激しい動きを示現しアジアオセアニアタイムに瞬間的に104.421円をつけ今年最安値を記録してからはほとんどその直前の前値戻しのような動きを示現させることになっています。

年明けから7月末までで1日に1円動いたのは6回ということですからこの8月相場がいかにボラティリティの高い状況であったかはよく理解できます。下落でとって、下がらなくなったところでショートカバーもとることができればこの8月相場はかなりの爆益に恵まれたのではないでしょうか。

週末30日はNYタイムに一旦下押ししましたがなんとか106円台前半で相場を終えており、結果的に月単位では陰線引けという形になっています。

ユーロドルは月末に向けて大きく売られる展開に

ユーロドルは月初ドルが売られたことから大きく上昇しましたがその後小康状態を挟んで後半、とくに最終週に向けて大きく売られる展開となり30日には1.1を割り込むところまで下落が進みました。ドイツの景況指数が非常に悪化していることにい加えECBが9月に追加利下げ、緩和政策を確実に出してくるのではないかといった思惑もあって、米中対立の緩和期待も手伝い大きく売られることとなったわけです。ただトランプにとっては決してうれしい話ではありませんから何等かの形で為替に対する言及あればユーロドルも買い戻されるリスクが残ることになります。

ユーロドル 4時間足 8月推移

週明けからの9月相場は流れが変わるのかどうかに注目

9月に入りますと例年ドルは買われやすい状況になるものですが、今年は9月のECB理事会、FOMCと中央銀行大きな政策決定を前にして相場が動くかどうかは微妙な情勢でまず9月3日以降に本格的に市場参加者が戻ってきた時点で相場の方向に変化がでるかどうかに注目が集まります。

今年の米株相場は98年に酷似していると言われていますが、98年の場合この8月末から一旦株価が大きく崩れており、同様の動きがでるとすればドルが売られやすい展開になりますので週明け一週間は果たしてそうした動きが示現するのかどうかにも注意していきたいところです。

ユーロはかなり弱含んでいますが、ドル次第で動きが変わることも予想されるだけに一筋縄ではいかない相場になりそうで、こちらも思い込みやレベル感でエントリーせずにしっかりテクニカル的に適切なポイントで売買していくことが必要になりそうです。

例年に比べますと今年の9月相場はかなり難易度が高まっていますので、慌ててエントリーせずにしっかり動きを見はからうことが重要な一週間になります。