9月相場も週明けの30日を残すだけとなり実質的に週明けから10月相場が始まる状況となります。早いもので今年も残すところ3か月ということですが、ヘッジファンド勢も昨年ほどではないにしろ今年は依然として儲かっていないことから何か残りの三か月でラストスパートをかけて利益を上げることを考えなくてはならないはずですから、ここからの相場は株も為替も意外な方向への展開にかなり注意が必要になってきていることがわかります。
狭いレンジに入り込んでしまったドル円
9月のドル円の動きを改めて見直してみますと8月の下落から一転して上昇を開始し9月19日に108.474円まで反発する動きとなりましたが、結局108円台は中盤以降に猛烈な売りのバリアが並び一旦下落。しかし9月25日の107円割れでは押し目買いの意欲もかなり強く、世界的にドル需要が高まっていることなどから考えてもドルは安値では確実に買い向かう向きがいることがドル円でも明確になりつつあります。27日のNYタイムには再度108円台に乗せるうごきとなりましたが、トランプ政権が米国けら中国への投資制限を検討していることが報道され、さらに米国の株式市場に上場する中国企業の上場廃止も検討しているということからドルは107円台に叩き落される動きとなり108円手前で週の取引を終えています。
こうしてみますと108円台初頭ではかなり重たい動きになるものの107円割れでは下値も堅いというほぼ1円強ぐらいの相場展開で次なる方向を模索している状況に陥ってしまったことが改めて確認できます。今年の高値は4月につけた112.401円ですからまだ年間で10円も動いていないのがドル円で、ここから上昇するのだとすると過去最低レベルの年間値動きであまり取引する妙味がなくなる状況になってきていることが判りますが、トランプ政権がまったく予期しない材料を持ち込んで相場を大きく下げさせてしまうリスクは依然として残っているようで、とりあえず週明けから相場がどちらに動くのかをしっかり見極めてエントリーする余裕を持ちたいところです。
逆張り投資で有名なラリーウイリアムズもドルについてはドルインデックスで抜けた方向についていくしかないといった解説をしており、予断をもって相場に臨まないことを市場参加者に進めています。
実際そのドルインデックスのここ1か月あまりの動きを改めてチェックしてみますと、97.8から99.4レベル程度までのレンジを形成しており、そこから大きく抜け出す動きは全く見られない状況です。もちろんドルインデックスはユーロドルの影響が半分以上盛り込まれていますからドル円のみならずユーロドルでも必ずしも方向感のない動きになっていることが理解できます。
ユーロドルもユーロ安方向だが一旦戻る可能性も
ユーロはドイツの経済指標が思わぬ悪化を見せたことから決して単体で買い上げられるような動きにはなっていませんが、実需も絡む相対的な関係の中で2年5か月近くぶりに9月12日のECB理事会でつけた値を下抜けて1.09台ぎりぎりまで下落してきており、週明けからの動きがさらに加速するのかどうかに注目があつまりそうです。ただ、9月に想定できるほぼすべての緩和措置を打った割にはユーロ安は進んでおらず、ややもすればショートカバーが出やすい状況となっている点にはかなり注意が必要で、深追いはやめてしっかり戻ったところをめがけて売りから参入するといった我慢のトレードが必要になりそうです。
一進一退のポンドドル
一方、BREXITの行方が全くよくわからなくなったポンドは楽観報道がでれば大きく買戻しになるものの、ボリスジョンソン首相の打つ手がなくなりつつあるとわかるとまた下げるといった報道のヘッドラインに常に踊らされる動きになっており、うまく相場に乗れた向きにとっては今もっとも動く通貨ペアとなっていますが、勝手な推測から動きを断定してエントリーするとかなりやられやすい状況になってきています。こちらも週明けに議会の解散が決まるのかどうか辺りが非常に大きな材料になりそうですが、時間的な猶予は一段となくなってきているだけにどこかで決定的事態から相場が大きく下げる可能性が残されている点には相当な注意が必要になりそうです。
足もとの相場はファンド勢も方向感が判らないため、とにかく様子を見守る状況になりつつあるようですが、たしかに妙なところで相場にエントリーしても売ってやられ買ってやられになりかねないためもう少し機会を待つことが必要になってきている状況です。しかし冒頭にも書きました通りファンド勢は確実に利益機会を狙ってきていますのでいきなり動きが示現することもありえそうで、どれだけしっかり相場を見極められるかがこの10月相場の成否を握るポイントになりそうです。
どうもかなり難しい相場状況に陥っていますが、市場参加者のほとんどが同様の印象を今の相場に持っていることは確かなようで、だれもが方向感を見失ってどうすべきかを悩んでいるのは事実のようです。したがって先走ることなく相場の動きのきっかけをつぶさに見守る忍耐力が試されることになりそうな時間帯にはいってきています。