既に10月も後半に入り、年末相場を意識しなくてはならない時期に入ってきていますが、今年の秋相場は米株も日本株も、さらにドル円もほとんど押し目を作らない相場状況が続いており、ここから年末相場に向けて買い向かって本当に大丈夫なのかという問題が常に頭をかすめる状況になってきています。
例年米株は10月に利益確定売りがそれなりに出る形となることから一定の下落を伴うことが多くなりますが、年末に向けては逆に買いあがるパターンが多く、ちょうどハロウィンの当たりの10月末に買いを入れるのがワークされるとされています。
とくに今年の場合にはFRBが利下げとは別にQEとは呼ばないながら実質QEに近い資産買入に踏み切っていますから、FRBの資産が拡大している期間は米株が上昇し続けるという過去のケースを考えればここから少なくとも12月ぐらいまでは相場が上昇してもまったくおかしくない条件が整いはじめているといえます。

ドル円も10月末買いは結構な確率でワークする

株価がこの調子ですからドル円もドルがかなり弱い状況でありながら円売りも出ていることから10月に入って108円台に乗せてからは107円方向にほとんど押し目がなくなっている状況です。

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例年のドル円のシーズナルサイクルを改めてチェックしてみますと上のチャートのように10月に円高に向かった後年末に向けてかなり顕著にドル高円安が進行することが過去20年程度の相場の動きからわかってきています。このチャートでは円をベースにして上昇するか下落するかを示して今うので、上昇するときは円高、下落するときは円安と見ることになります。これは実需のドル需要が年末に増えることとも符合する状況で、本来はどこかでドル円が下落して押し目ができたときに買いを入れるのが適切なハロウィン相場参入法となるわけですが、現状では今週から来週にかけて果たしてこうした明確な押し目が現れることになるのかどうかが非常に不明確な状況ということができます。これまでは10月末買いで翌年の4月まで保有するという、黄金の180日保有戦略というのもワークしたものですが、最近は年明けの1月に結構下押しをすることからハロウィンエフェクトの取引をするとしても10月末前後に買って12月のどこかのタイミングで利が乗っている状況でリカクして実現益を確保するというのがもっとも適切な方法になります。
過去20年ぐらいのタームで見た場合このハロウィン買いはほぼ7割以上の確率でワークしていますから、とにかくストップロスを置いてダメなら離脱することを前提に今年も試してみる手はありそうな状況です。

リスクはまったくないわけでもない

10月末ははっきりしないUKのEU離脱の期日になっていますし、30日にはFOMCが開催され市場が期待している利下げが実施されるかどうかも残されています。さらに翌日には日銀の政策決定会合がありなんらかの緩和策が実施される可能性も残されており、こうした材料を見極めてからハロウィン買いを行うかどうかを判断するのも一つの手になりそうです。

ただし、ドル円でいいますとどの水準で買いを入れるかにもよりますが、108円全般でうまく買うことができたとしても上値で110円を超えるレベルまで利益を伸ばしていけるかどうかはかなり不透明であり8月につけた109.319円で頭を抑えられる可能性も十分に考えられます。こうなると一生懸命買ってみてもまともに1円も抜けないという悲しい結果になるリスクもありますので、あまり大きな利益を確保することは期待しないで売買する必要があるかも知れません。
またすでにこのコラムでもご紹介しているとおりCLOの市場が年末に向けていきなり変調をきたすことになったり米中の協議が事前に報じられているほどうまく進行しないといったことが顕在化した場合相場が逆走して下がり始める危険性もまったくないわけではないことをしっかり認識しておくべきでしょう。そういう意味ではトレーリングストップを入れるなり損切を入れるなりして証拠金管理をしっかりと行うことは必須になります。
今年のドル円はとくに動かない状況で、市場では個人の投資家もかなりFXから遠ざかっているという噂を耳にします。それだけに期待したほど相場が動かなず不発に終わることも十分ありますので、あまり期待しすぎないトレードを心掛けることが重要になりそうです。

ただこのまま何もしなければあっという間にクリスマスを迎えてしまいまったく利益機会がないまま今年の取引を終えることになりますので、今年の場合ハロウィン買いをやってみるかどうかは検討に値するものといえます。