1月1日というのは、世界的に市場のほとんどはお休みで、株も為替も全く動かないというのが投資家の基本的な認識となっています。
今年の元旦NYタイムを108円台中半で終えたまま、膠着状態で年越しかと思われたドル円が突如として暴騰し、一時的に111.260円までつける激しい上昇となりました。
理由は恐らくですが、アルゴリズムが一気に買い上げる相場を作り出したことから、それに追随するアルゴがストップロスをつけてここまでの上昇を達成させてしまったものと思われます。
昨年1月3日のフラッシュクラッシュがメルトダウン相場とすればまったく逆の買いあがり、メルトアップ相場が実現してしまったわけです。
業者のチャートだけを見ているトレーダーは、こうした不可解な事態が起こったことすら今も知らずに、新年の相場に入っているのかも知れませんが、実は元旦にネット上ではこの動きがかなり話題になったのは事実です。
上のチャートは主要市場が休みでも、中東など開いている市場の相場を常に示してくれるFXEMPIREからお借りしたものです。
上のチャートのように暴騰して高値を一定時間維持した後、完全に元に戻るという動きをしたことになります。
ただ、こうした相場はメインマーケットが開いていない時に一時的についただけで、結局オセアニアタイムがスタートする時間帯にはもとのレベルにすっかり戻ってしまい、暴騰は10時間ほどで収束することとなりました。
土日の中東相場ではたまにみかける不思議な光景
実はこうした休みの日に大きく為替相場が変動するというのは、土日やクリスマスなどに開場している中東の相場での取引が起因していることがあるのは結構有名な話です。
今回正月1日なのに、どこの中東相場が開いていたのかは今もよくわかりませんが、サウジやドバイなどが休場でもバーレーンは開いていたといった事情があったことと思われます。
過去にも、土日、特に土曜日に相場が暴騰や暴落した場合には、日曜日のうちに元に戻って、結局翌週月曜のオセアニアタイムにはほとんど窓開けしない形になるということは、何度か経験することがあったものです。
主要市場が休場ですと、実需の企業が置いたリーブオーダーなどもまったくつかないまま相場が上昇してしまいますから、今回のように2.6円と驚くほど上昇する場面を作りだしてしまったといそうです。
こうした状況は、マイナー市場が開いているからこそ起こることであると高をくくっていますと、とんでもない動きを誘発させる危険性もあるだけに、あまり甘く見てはいられないのが正直なところです。
アルゴリズムが生み出す奇怪な動き
今回のドル円の上昇は、結局オセアニア市場が開くまでに完全に元にもどったことから、市場への実害は全くなかったという非常にラッキーな状況になりましたが、ひとつはっきりしたのはリクイディティがない時間帯であれば、相場はフラッシュクラッシュのように暴落するだけではなく、吹き上がることも十分にありうるということです。
ストップロスといいますと、どうしても暴落時に起動するものと考えがちですが、逆に暴騰があるとすればショートのポジションでも逆のストップロスを置いておく必要があることを痛感させられました。
メインマーケットで起こったことではないことから、相場は年明けも平静を保っていますが、ここからどうなるのかは誰にも全くわかりません。
相当用心深く、取引をしていくことを心掛けたい新年相場です。