ここ10年近く1月というのは、突如として相場に想定外の変動が起こることから、かなりの市場参加者が注意してトレードすることが多くなってきています。

今年は相場のスタートとなる2日も3日も、特段フラッシュクラッシュのようなものが起こらなかったために、比較的油断していたところ、いきなり米国がイランの革命防衛隊の司令官をドローンで殺害したというニュースが飛び込んできたことから、3日NYタイムは株も為替も大きくリスクオフに傾き、週明けの東京タイムでも大きく窓開けをして、ドル円は取引を始めることとなりました。

確かに年末、109円中盤で推移したドル円は、その後108円台に下落して越年し、年明けイランとの戦争問題から107円中盤近くまで下げることとなったわけですが、その後イランからの報復攻撃も2発のミサイルた飛来しただけで大きな人的被害もなく、明けた8日トランプ大統領自ら演説しイランに対して、これ以上戦闘行為を望まないと戦争の継続がないことを発表したことから大きく買い戻される形となりました。

結局ドル円は、年末の高値レベルまで年末年始を挟んだ2週間ほどで全値戻しをすることなり、大幅な下落を免れた相場の動きとなってしまいました。

10日には米国の雇用統計があり、非農業者雇用者数は市場の予測を下回ったものの、失業率は過去50年あまりで最低のレベルを維持したことから、ドル円は下落こそしたものの結局109.400円を下抜けることもなく週の取引を終えています。

例年正月第一週から二週にかけての動きは行って来いになりやすい

例年1月の第一週から二週目にかけては米国を中心として、投機筋が新年度で動き始めることからそれまでとは異なる動意がみられることが多くなりますが、やはり投機筋だけあって売っても買ってもつねに反対売買がでることから戻ることが多く、今年もまさにそうしたアノマリーを引き継ぐ動きとなってしまったことがわかります。

ここからは、週明け相場で果たして何が材料になって、相場が動いていくのかが注目されるところです。

15日には、米中の通商協議第一弾の合意と調印が米国内で実施され、中国側から要人た出席する予定となっていますが、さすがにこの結果は織り込み済みのようで、ここからさらに米中の事で相場が買いあがるとはなかなか思いにくい状況です。

ドル円4時間足 年末年始推移

テクニカル的に見ますと、109円台中盤を超えて戻したドル円はさらに上値を追ってもおかしくない状況にありますが、上のチャートをご覧いただいてもお分かりの通り、109.700円レベルで既に年末3回止められており、先週も同様にここを抜けられない状態が続いていますので、週明け再度挑戦して抜けきらない場合には、逆の動きをしていく可能性も強く残されています。

この時期、株式市場は戎天井などと呼ばれて、1月後半に向けて調整しやすい時間帯を迎えますし、米株も異常とも思われる続伸継続が一息つく場合、ドル円も1月後半に向けて再度下値を試す可能性を視野に入れておく必要がありそうです。

ただ正月の下押しで、107円台は意外に底堅いことが今回事前にわかりましたので、調整下落の局面は2月に向けてそれなりに買い場として機能することも想定しておきたいところです。

ポンドは31日に向けて買戻しが進む可能性も

ポンド円4時間足年末年始推移

一方、英国では議会でEU離脱の訪韓が通貨したことからポンドは一定の買戻しが入りそうな気配ではありますが、英国内での意思の一致がはかられたとはいえ、EUと向き合いすんなり今年年末までに離脱ができるのかは依然として不透明感が残り、どこかでまた逆に動きに反転するリスクも残りそうな状況です。

いずれにしても、昨年の秋口のように非常にポンドが注目される状況は一旦終了した感があり、相場は新しいテーマを探して動いていく一週間になりそうです。

ここからは、個別通貨ペアのシーズナルサイクルも十分に意識しながら臨みたいところですが、じきに各通貨ペアごとに方向感が現れてくる時期でもありますので、あまり慌てずにしっかり状況を確認してから、テクニカル的に有利な場所でポジションをとっていく努力が必要になりそうです。