米国を中心とした株式市場は既に、中国起因の新型肺炎の問題などまるでなかったかのような相場が暴騰しています。
特にテスラ株などは短時間でほぼ2倍の価格にまで跳ね上がるような動きで、完全に2000年ごろのITバブルの再来を彷彿とさせる状況です。
その後はすぐに利益確定売りがでるなど、このバブル相場が長く継続するかどうかはよくわからないような相場の動きとなっています。
この記事でも既にご紹介している通り、とにかく危機的な状況が到来すれば、FRBをはじめとする中央銀行がさらなる緩和で立ち向かって何とかしてくれる、あるいは米国大統領選を控えてここから株価が簡単に崩れるわけはないといった市場の期待感が猛烈なバブル相場を支えているといっても過言ではない状況です。
為替もドル円は、110円台を上抜けてさらなる上昇になりそうな雰囲気となってきています。
新型肺炎もウイルスを撃退できるワクチンの開発が進むといった報道から、世界各地の相場に買戻しがでてきています。
しかし、その動きとは全く逆行するような驚くべき内容を台湾のTaiwan Newsが取り上げて、市場でも大きな話題になりつつあります。
新型肺炎による死亡者は公式発表の80倍かというTaiwan Newsの報道が話題に
2月5日にTaiwan Newsが発表数字の画像入りで報じた内容によりますと、中国でアリババとシェアを二分する巨大企業でるテンセントが運営するサイトにEpidemic Situation Trackerと題した中国内の新型肺炎の感染状況を示すページが設けられているのですが、2月1日にそれまでの中国政府の公式発表とは全く異なるかなり大きな数字が掲示されたというのです。
中国で確認された新型ウイルスの発症数が、中国当局の発表した公式数字のほぼ10倍の154,023名と表示され、疑わしき症例は公式数字のほぼ4倍にあたる79,808名と表記しています。
さらに驚くべき数字となっているのが死亡者数で、なんと公式発表数304名の81倍近い24589名と表示してしまったといいます。
このサイトはその後、少なくとも3回ほど改定された情報を流していますが、2月2日の現地時間午後4時には中国当局の発表している公式数字に戻ったことが確認されています。
以下の画面がそのキャプチャ画像です。
左と右を比べてみますと、左の数字がきわめて莫大なものになっていることがわかります。
いくつかの憶測が飛び交う始末
莫大な発症者数と死亡者数が一時的にせよ、テンセントに掲載されたことだけは事実のようで、果たしてこれがどうして起きたのかが台湾ではかなり話題になっているといいます。
この件に関してはいくつかの億読が飛んでいるようですが、まず一つ目としてはテンセントが事実の数字を認識しており、政府が発表する公式数字のデータと並行してデータを保有していたため、間違って本当の数字を掲載してしまい慌てて修正をかけて今の状況に戻ったのではないかとする説です。
またテンセントでは、リアルなデータにコーディングを施して公式データにしているものの、そのコーディングになんらかの問題が発生して、生データがそのまま表示されてしまったのではないかという見方も広がっています。
確かにこの手のデータ表示は、一旦プログラムを組んでしまえば人が手作業で修正しないことは十分に考えられるためこうしたことも起こりえます。
さらにテンセントの中の人間が国民に本当のことを知らせるために、本当の数字をあえて一時的に開示したのではないかという見方もでてきています。
こちらの話はその後、テンセントから誤報であったといったお詫びの告知もでておらず、まるで何事もなかったような静かな状況が続いていますが、インターネットビジネスに関しては、中国当局の介入度合いが非常に高いことからなんのお咎めもなかったとは到底思えない状況で、一体何が起きているのかに非常に注目が集まっているようです。
事実は闇の中だが発症者、死亡者が劇的に増加しているなら経済的ダメージが想定をはるかに超える可能性も
これ以上日本国内から確認のしようはありませんので、あくまで台湾でこうした報道がでたということしかご紹介はできないのですが、一つ注意しておかなくてはならないのは、中国の直近の状況が当局の発表する内容よりもはるかに悪化しています。
ここから簡単に経済が回復し、産業が元に戻れるような状況ではない可能性があるということです。
既にかなりの地域の主要都市で封鎖の状態が表面化し始めているようですし、ワクチンが簡単にできて感染者が減り元の状態に比較的早く戻れるのではないかと期待するのは大きな間違いである危険性が高まっています。
こうなると中国起因で本当に世界にリセッションが拡大する可能性もありますし、現状の米国株のように浮かれた状況がこのまま11月の大統領選挙まで継続することを安易に期待しているととんでもないことに巻き込まれるリスクも考えておく必要がありそうです。
既に世界のGDPの16%以上を担う中国ですから、世界各国に与える影響は絶大で、特に日本については想像をはるかに超えるダメージを受ける危険性が出てきています。